2019年、さらに品質が高まった “雲州三色”、非透明鱗三色の頂点を目指した野尻さんの一年

今年も、連休中を利用して、島根県出雲市の “雲州三色”の作り手、野尻治男氏の飼育場を訪問させて頂いた。

今年で3年目、これまでの野尻さんの作る “雲州三色”のブログ記事は、当社のブログ記事の中でも最高の閲覧数を獲得している。

雲州めだかの“雲州三色”の素晴らしさ
https://piscesbook.com/archives/1997

一年振りの雲州三色。その美しさに惚れ惚れした一日
https://piscesbook.com/archives/7732

今年も朝の5時に岡山県津山のホテルを出て、一路、出雲へと車を走らせた。距離にして170km弱、中国山地を抜け、米子に出て、山陰道を西へ走る。今回はこれまでの一人旅を違い、東山君が同行、二人での撮影なので気楽だし、車中で話をしながらの旅程となるので、運転していても眠くなることもなかった(笑)

「初めての“雲州三色”を見て、東山はどう感じるだろうか?」これも自分にとっては興味のあるところであった。

午前8時、予定通りに野尻さんの飼育場に到着した。

今年の“雲州三色”、自分が見せて頂いてきた3年、中でも最も素晴らしい“雲州三色”の群泳をいきなり見た気がした。

元々、“雲州三色”の魅力は墨と白地であったのだが、今年は赤さが良く、昨年よりも更に墨地の仕上がりが素晴らしいと感じたのである。昨年は白さ、赤さは2019年産(○○産の年度は繁殖自体は前年)と大きな差はなかったのだが、墨地の面積が2017年産より少なくまとまっていた気がしたのだが、今年、見せて頂いた“雲州三色”は墨地の面積、墨地の質感、そして墨地と白地の際のくっきり感が三色らしくしっかりとまとめられていたのである。

この6点は東山の写真、初めての野尻さんの飼育場での撮影だったのだが、興奮しながらシャッターを切っている様子は隣にいて感じた。

西へメダカ取材 2日目

今年は暖冬だったこともあったのか、ほぼ仕上がった、本当に美しい“雲州三色”を見せて頂くことが出来た。

非透明鱗三色として、その魅力を広く知らせてくれた系統として、“あけぼの”と“雲州三色”が永遠のツートップなのだが、“あけぼの”の小寺氏が、“あけぼの”に体外光を入れていく改良に力を入れられた2018年、野尻さんは、黙々と“雲州三色”を作り続けてこられたのである。

どの池を見ても、本当に今年の“雲州三色”は「素晴らしい!」の一言だったのである。

『メダカ百華 第4号』で初めて“雲州三色”を掲載させて頂いた時の反響は物凄いものがあり、『メダカ百華 第5号』では、一年が経過し、表現がまとまった“雲州三色”を掲載させて頂いた。今回が3回目となると、回数が増えるたびに、読者の眼は厳しくなるところがある。そこの部分はトップブリーダーになればなるほど、作出者にとっては常に意識され、プレッシャーになるところがあるだろう。それを野尻さんは、今年のメダカで表現してくださったのである。

ある意味、今年の“雲州三色”は「出来上がった」年になったのかもしれない。

「今年の“雲州三色”になら、野尻さん、満足された魚がいますよね?」とお聞きすると、「何匹かはいるかもしれない」と答えてくださった。昨年までは「まだまだ…」と凄い魚を前に言われておられた野尻さん、今年の魚には手応えを感じておられたように思えた。

野尻さんが昨年「この幹之には満足している」と言われていた『雲州めだか』の作る幹之メダカである。この幹之メダカについては、今年の4月にブログで一度、紹介させていただいているのだが、本家本元で見た『雲州めだか』の作る幹之メダカはため息しか出ない仕上がりだったのである。

https://piscesbook.com/archives/11876

幹之メダカの飼育経験なく、多色のメダカの体外光を作ろうという初心者の方が少なくないのだが、体外光は全て幹之メダカに由来するもので、フルボディ(フルライン)タイプの幹之を入手するのが難しくなくなった今日とは言え、長い間、幹之メダカを継続して作ってこられた方の幹之は一味も二味も違うのである。
「幹之メダカの質」単色のメダカのために判りにくいかもしれないが、そこをじっくりと観察されれば、先に紹介させて頂いた、垂水政治氏の“鱗血統”や後に紹介させて頂く『静楽庵』血統の体外光を持つ各品種作出の観察眼、識別眼、そして、選別できる眼が養えるのである。

今回の『雲州めだか』で、三年目にして初めて撮影させて頂いたメダカが…

こちら、非透明鱗紅白の“雲州更紗”と名付けられたメダカである。

この“雲州更紗”は二年前にも野尻さんの池を泳いでいたのであるが、その時、「この紅白の写真はいずれまた…」と自分が撮影しなかったことを野尻忠聡さんに茶化されたのであるが、二年前にはやはり一点でも多くの“雲州三色”を掲載したかったこと、そして、朱赤色のキレが普通な雰囲気に感じていたのである。

その“雲州更紗”、“雲州三色”の赤さが際立った2019年産、同時に“雲州更紗”も赤さも十分な色の厚み、白地もしっかりとした一つの系統として出来上がったと感じた。

今年、ほぼ完成の域に達した“雲州三色”、“雲州更紗”であるが、治男さんはもう一つ、違う着眼点で“雲州三色”を見つめておられた。

この“雲州三色”の一タイプである。
このタイプについてはいずれまた!

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