岡山、坂出和彦氏の作る注目の三色ラメ幹之

『メダカ百華 第7号』の大型連休を使った大取材の一番手は、三色ラメ幹之で一躍、時の人となり、全国のメダカ愛好家から注目、垂涎の的となった、メダカ交流会in愛媛の倉敷支部の事務局長を務められることになられた坂出和彦氏の飼育場であった。

岡山県美作市にある『静楽庵』、そこが作った三色ラメ幹之は全国のメダカ愛好家の手に渡った魅力的な系統である。その系統を累代繁殖、あるいは別系統と交配したメダカたちが全国各地のメダカ飼育池を泳いでいる。

その中で、一つのブランドとなったのが、坂出氏の作る三色ラメ幹之なのである。

坂出さんが、自身の三色ラメ幹之に手応えを感じられたのは、2年前のメダカ交流会in愛媛の岡山での展示会だったのではないかと思っている。

ちょうど、会長である垂水さんが「女雛・夜桜シリーズ」として、後に“煌”のハウスネームが付けられたメダカと同時に展示されていたのである。「黒勝ちの三色ラメ」として、知られるようになった坂出さんの三色ラメ幹之であるが、その黒斑を目立たせるためには、白地が黒斑に負けないところが不可欠なのである。

それをしっかりと種親を選択することで、坂出さんは美しい個体を作り上げてこられたのである。

「昨年は4000匹ほど育てて、1500匹を残した」と言われる坂出さん、それをさらに300匹ほどに厳選して2019年を迎えられたのである。

坂出さんが三色ラメ幹之に集中されてから3年、それまでは黒幹之などを繁殖されておられた。「それが三色ラメにして一年目で良いのが出来てしまい、ちょっとチヤホヤされたところがあるんです。その時、“ちょっと危険だ!”と感じた」そうで、「だからこそ、二年目は意地でも良い三色ラメ幹之を作らなければ!」と自身にプレッシャーをかけて、再び、良い三色ラメ幹之を作り上げられたのである。

それから更に一年、2019年の坂出さんの三色ラメ幹之は、朱赤色が見事な色の濃さを現していたのである。

「色の濃さはメダカ交流会の垂水会長から“坂出さんは赤の出し方がイマイチ”と言われた」そうで、「去年はそこを克服しようと新水とグリーンウォーターの使い分けを試行錯誤した」と言われる。その結果は、非透明鱗系の三色ラメ幹之の赤さを坂出さんは見事に鮮やかな色合いで答えを出されたのである。

様々な坂出さんの三色ラメ幹之を撮影させて頂いたが、坂出さんの三色ラメ幹之には、それぞれ坂出さんの意思があるというか、じっくりと見入ってしまう魅力がある。それは、「交流会の展示会がある。そこで魚を来場者に見せる」という坂出さんの明確な目標があるからだと感じた。

三色ラメ幹之で日本中に名前が知られるようになった坂出さん、だからこそ、力を抜くことなく、「去年より今年、今年より来年」と口にされるように、更に三色ラメ幹之を美しくしていかなければならないという強い思いを持って、魚に磨きをかけておられるのである。

「まず黒をドテッと乗せること」、「それを達成できれば赤は簡単、赤を濃くすることに悩めばいいだけ」と言われる坂出さん、今年も緊張感を持って坂出さんはさらに三色ラメ幹之を美しくされることだろう。

最後に、坂出さんのハネ池にいた魚を紹介しておこう。

この2匹だって味があるのである。

そして…

三色ラメ幹之から派生した紅白ラメ

同じく、非透明鱗性の紅白

坂出さんは三色ラメ幹之のスペシャリストとして、様々な三色ラメ幹之から出てくる表現をじっくりと見ておられるのである。

『静楽庵』血統の三色ラメ幹之、そう言うと誰でも良い三色ラメ幹之を作ることが出来ると思われがちだが、“『静楽庵』血統を超える”三色ラメ幹之を作るというとなると、並大抵ではないのである。それを実現させた坂出さん、更に未知の三色ラメ幹之を目指して、今年も本格的な採卵を始められたのである。

2019年、今年も坂出さんの作る三色ラメ幹之の変化が楽しみである。