ブラックダイヤ 2019バージョン

神奈川県川崎市在住の中里良則氏がブラックダイヤを固定されてから一年が経過した。

固定そのものは昨年の4月に一斉リリースされる5ヶ月前には出来上がっていたのだが、より品質を高め、まとまった数でリリースされるまで、一世代進めてからのリリースであった。

この様子は、このブログでも、“オロチプロジェクト”として、何回も書かせて頂いた。

https://piscesbook.com/archives/2937

https://piscesbook.com/archives/5949

https://piscesbook.com/archives/6840

https://piscesbook.com/archives/7259

『メダカ百華第5号』で、そのまとめ記事を掲載させて頂いている。

それから、一年、全国に行き渡った2018年4月バージョンのブラックダイヤは多くのメダカ愛好家の手によって繁殖され、ブラックダイヤの呼称は広く知られるようになった。

新しいメダカがリリースされると、誰もが手に入れて、繁殖に取り組む。その結果、良い個体も悪い個体も、産まれてきたメダカには、ほとんど全てに「ブラックダイヤ」の呼称が使われて、ヤフオクに、通販にと多くの「ブラックダイヤ」が流通するようになる。

何をもって、「作出者である中里氏がブラックダイヤを作られたのか?」そういうことは忘れられてしまい、せっせと小銭稼ぎをするメダカのセミプロ、プロが賞味期限以内に少しでも多くの自家産の「ブラックダイヤ」を販売しようと、躍起になる。
その結果、作出者の意図とは全然違うメダカが流通するようになり、「ブラックダイヤ」の本当の魅力が何なのか?それがわかりにくくなってしまい、他の新たにリリースされるメダカにメダカ愛好家の視線が移ってしまいながら、メダカ業界はここまで来ているのである。

同じようなメダカで言えば、雲州三色、三色ラメ幹之、あけぼの、紅帝、女雛…など、有名品種になれば、それだけ需要が多いというか、「売れる!」ということで卵の販売から始まり、稚魚、そして元の姿とはかけ離れた個体までが販売されるようになる。悲しいことなのだが、これが現在のメダカ界では当たり前に行われているのである。

さて、このブラックダイヤ、作出者である中里氏は、累代繁殖をされながら、さらに品質を高める作業を続けておられたのである。

この60cm水槽に数千匹が泳いでいるメダカ、全てがブラックダイヤである。

この中から、次期種親候補を30匹程度選ばれ、次の世代の繁殖をされるのが中里氏の基本的な方法である。

そもそも、オロチと中里氏がずっと系統維持されておられる青ラメ幹之を交配されて始まったブラックダイヤ作出の工程、ラメが多ければ黒味が薄くなり、黒味が濃ければ、ラメ光沢は黒色に覆われて少なくなってしまう。この相反する特徴を兼ね備えてこそ、ブラックダイヤと呼べるのである。

普通体形のブラックダイヤ2019のオスである。

普通体形のブラックダイヤメスである。

この黒さ、そして、ラメ鱗の多さ、確実にブラックダイヤ2018-4を超えているのである。

この腹面にまでラメ光沢を持った鱗が増えているのには驚かされた。

光体形のブラックダイヤ2019のメスである。ラメ光沢を持つ鱗は細かく、そして、黒さはオロチから来たそのものである。

顎下もしっかりと黒く、腹部のキールもしっかりと黒い。これでこそ、中里氏納得のブラックダイヤなのである。
しかも、ほとんどの個体が同じような表現を見せるのである。

2018年4月に一斉リリースされ、それから10ヶ月、オリジナルを作出された中里氏は「納得出来るブラックダイヤ」を作り続けておられたのである。

新しい表現のメダカを探すことは必須である。しかし、出来上がった品種を更に美しくしていくことも必須なのである。後者の方が難易度が高いのだが、それをいとも簡単にやってのけてしまう中里氏、ブラックダイヤ2019は、ブラックダイヤ2018-4を入手された方でも再度、注目してしまう完成度の高さと言えるだろう。

黒さを増し、ラメ鱗の数、光沢も増したブラックダイヤ2019、今年も多くのメダカ愛好家の飼育欲を掻き立てることだろう。

https://auctions.yahoo.co.jp/seller/cava_1201

ヤフオクで中里氏のブラックダイヤ2019を正規に出品されておられるのは、現在のところ、大阪のcavaさんだけである。

2 thoughts on “ブラックダイヤ 2019バージョン

  1. otti より:

     いつも楽しく勉強させていただいております。中里様のブラックダイヤは記載のオークション以外では、どちらで手に入れることができるでしょうか。よろしくお願いいたします。

    1. 株式会社ピーシーズ より:

      おはようございます。流通はしているのですが、大阪のcavaさん以外で中里氏の名前を付けてブラックダイヤ2019を販売しているショップさんは、知らないんです。流通しているのは確かなんですけど…

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