“オロチ”プロジェクト” 11  オロチ×青ラメ幹之 F4

神奈川県川崎市在住の中里良則氏が進めている、オロチと他品種との交配によるメダカの改良の実践を記事にさせて頂いてきた。

そして、今回、オロチ×青ラメ幹之のF4が出来上がり、いよいよ、“オロチ”プロジェクト”で作られたメダカが一般にリリースされることになった。

オスである。口唇が白くなっているのはオス同士の喧嘩によってのものである。

産卵し、卵を付けて泳ぐメスである。

リリースは愛知県岡崎市にある『葵めだか』からになったそうで、3月初めに全国一斉リリースになるそうである。これは全国に一斉に出来上がった新しい表現のメダカをリリースしようという、こちらもある意味、メダカの販売プロジェクトだったのである。

このオロチプロジェクトの記事の中で、中里さんと普通に会話で使っている言葉が「オロチラメ」だったのだが、それを品種名にしようなどとは全く思ってもいなかったのである。いちいち会話中で「オロチ×青ラメ幹之」と使わなかっただけである。文字にしたのは、このブログだが、別に品種名にしようというのではなく、解りやすい表現にしたかっただけである。

この2匹の体内には茶褐色の色合いが隠れている。

このオスには青ラメ幹之から来る幹之メダカが持つ透明感のある青みの色合いが隠れている。

オロチ×青ラメ幹之の交配によって、オロチそのものを作りたい訳はなく、青ラメ幹之そのものを作りたい訳ではないのである。

その二品種の特徴をいかに表現するか?これが品種改良なのである。

F1で変わった個体が出て来るのは当たり前で、F2でバラけるのもまた当たり前である。そのバラけたものをそのままブリーダーネーム、ハウスネームにしてしまうことがまかり通ってきた改良メダカの世界であるが、2017年、現在いるメダカから改良される方向はほぼ出揃った中、「2018年以降、いかに新しい表現のメダカを作るか?」は難易度がグンと上がるのである。

その中、ブラック系の頂点、絶大な人気のある奈良県在住の谷國昌博氏が作出したオロチと、“星河”のニックネームが付けられた中里氏が累代繁殖する青ラメ幹之のラメ鱗を併せようとは誰もが考えるはずである。

しかし、オロチの黒さはどんな色彩も上から覆いかぶさって真っ黒にしてしまう強さがあり、ラメ光沢を持つ鱗の反射光も簡単に決してしまうのである。

中里さんの場合、まずはなるべく多くの卵を採り、そして、その中から徹底的な選別淘汰をして、累代繁殖させているのである。数千匹の中から中里さんの「これは使える!」という感覚とこれまでの経験から、オロチ×青ラメ幹之の交配をした意味のあるメダカを量産しようという試み、それがオロチプロジェクトの真髄なのである。

今回のF4は実はリリース予定ではなく、「F5から」と中里さんは思っておられたのだが、要望の多さからF4でのリリースを承諾されたのである。

このメダカの呼称としては、『葵めだか』で一般公募を募っている。中里さん自身は欧米でも通用する呼称、「ブラック・ダイヤモンド」でも良いのではないか?と思われておられる。

ブリーダーネーム、品種名は二の次、まずは作り上げられたメダカそのものの魅力、綺麗さを楽しんで頂きたいのである。

改良メダカの販売にはもちろん、プロショップが存在する。商売敵も存在するのだろうが、まずは作り上げられたメダカを見て、各ショップのお客さんが欲しいと思えば、販売するのがプロショップである。改良メダカの世界ではセミプロショップ、プロアマショップがやたらと多いようだが、プロならお客さんのニーズに応えるのが当たり前なのだが、それが出来ないから改良メダカの世界って奇妙なのである。もちろん、販売する、しないは各ショップの販売方針で決めることなのだが、出来上がって来たメダカの長所を見る、誰が売ろうが、誰が作ろうが、そのメダカそのものから感じられるものを素直に見ていきたいのである。

そういうところもあって、中里さんの目はそういったドロドロ感さえある世界ではなく、日本の熱帯魚愛好家やヨーロッパに向かっており、FacebookのMedaka EUにこの写真をアップしたところ、ドイツから、「すぐに日本に行きたい!」というコメントが来た。そして、室内で水槽に入れて販売している熱帯魚店からも熱い視線が注がれているのである。

横見でも楽しめる、そして熱帯魚愛好家にもアピールする、このオロチから受け継いだ黒さ、そして、青ラメ幹之から受け継いだ多くのラメ光沢を持つ鱗、素直に美しさを楽しむのが一番である。多分、今年の夏には多くの熱帯魚店が熱帯魚感覚で販売したくなる、それが、このメダカでありそうだ。

この口語的に“オロチ”ラメと呼んでいたメダカの持つポテンシャル、改良メダカを長く見てきた方なら、誰だって、「凄い!」と思うはずである。

「綺麗なものは綺麗!」、「格好良いものは格好良い!」それだけで良いのである!

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