メダカ発眼卵
産み出されたメダカの卵は、水温18度程度であれば、約三週間ほどでフ化する。卵の中でメダカの子供は成長し、大きな目が目立つ姿になることから発眼卵と呼ばれる。
先日、回収した卵の中では仔魚が成長しており、見ていると卵の中でクルクルと動く様子も見られる。こうなるとフ化までは秒読み段階である。
ただ、回収した卵は別容器でキープしたりするが、問題が発生することもある。
大きな目をした仔魚の姿と共に、発生していなかったり、白く濁っている卵もある。もちろん、これらはフ化しない卵であるが、仔魚の姿になっていても、白っぽくなっているのはすでに死んでしまっているものである。
原因はいくつかあるが、やはり水の状態悪化が大きい。特に室内など、空気の流れの少ない場所では、小さな容器では水質が悪化しやすい。広めの容器を使ったり、なるべく風通しの良い場所に置くなどし、途中でも部分的に水換えをするなどして水質悪化を避けるようにしたい。止水で表面に油膜が張るようでは空気が溶け込まないので、エアストーンで気泡が数えられる程度にごく弱くエアーを入れたりして対処する。
寒い時期に加温しながら産卵したのなら、水温の変動にも注意が必要である。分けた容器を親の容器に浮かべたり、同じ水温にした別容器などを用意したい。
そんなことをしていて、ふと親の入った水槽を見ると
水草の陰で卵がしっかりと成長していた。
産卵した後に、容器から親を取り出し、そのまま卵をフ化させて、そこで育てるというやり方もある。これは卵へ移動での負担を与えないことや、産卵していた状態のよい場所で育成できる利点がある。複数の産卵槽が用意できるなら、一週間毎に親を次々と移動させるやり方もできる。
親が卵を食べてしまうこともあるのだが、意外とわかりやすい場所にも卵があったりする。分けた卵の横で、親と共にいても成長している卵を見ると、ちょっと複雑な気分になったりもする。