メダカと浮き草 2
浮き草の仲間はいろいろと知られる。大型のものは隠れ家や日除けにもなるし、メダカの餌になるような浮き草もある。様々な形で利用しながら、鑑賞してもよい。
ホテイアオイ
ぷかぷかと膨らんだ形で浮かんでいる姿から七福神の布袋様をイメージされる。その姿から浮き草のようだが、膨らんだ葉柄が浮き袋の役割を果たしているため浮いており、ミズアオイ科の水草である。ミズアオイやホテイソウとも呼ばれ、花の形からウォーターヒヤシンスの別名もある。
古くから観賞魚店で販売されており、青紫の涼しげな色合いで咲く花は、夏場の風物詩のようなイメージである。黒い根毛の多い根を水中に伸ばし、水中の養分を取り込んで生長するため、水質浄化の役目もあり、この根にメダカが卵を産み付けさせるために用いることも多い。
水中の養分が十分にあり、しっかりと光の当たる場所では、あっという間に容器いっぱいに殖えてしまうこともあるが、水面を覆い尽くす前に、間引いて隙間を作るようにする。水面で増えての酸素供給の阻害と共に、限られたスペースである水中に繁茂した根は、メダカの遊泳スペースをなくしてしまうこともある。このように強い増殖力を持つので、殖えたからといって自然に放つようなことはしてはいけない。寒さには弱く、冬場の屋外ではほとんどが枯れてしまう。
田んぼやため池、用水路などでよく見られる数ミリほどの小型の浮き草がある。繁殖力が旺盛で、飼育容器だとあっという間に水面を覆い尽くしてしまうこともある。やはり、適度な所で間引く必要がある。
飼育下で見られる種は、ホテイアオイや金魚藻など他の水草に付着して入り込み、入れた覚えもないのにいつのまにか増えていることも多い。
サイズとしては5ミリに満たない程度で、メダカとのサイズ感も合うものである。単純に“ウキクサ”と呼ばれることもあるが、ウキクサ自体は別種で存在し、やや大型で丸みがある。日本固有のアオウキクサの他、シマウキクサやナンゴクアオウキクサなども知られる。
そして、最も小型で、雪だるまを思わせるような可愛らしい形をしたのがミジンコウキクサで、仁丹藻とも呼ばれる。
根を持たず、つやつやとした葉をしている。画像ではわかりづらいが、その名前からもわかるように非常に小さい。
先の“ウキクサ”と並べると、その小ささが際だつ。そのため、観賞用というよりもメダカのおやつ的な役割で販売されることが多い。口に入れば、メダカの稚魚も喜んで食べ、もちろん親魚もよく食べる。
屋外の容器などでどんどんと増やすことができるが、メダカが一緒の容器ではすぐに食べ尽くされてしまうので、別の容器で増やしてから、与えるとよい。けっこうな勢いで食べるので、その様子を観察するのも楽しい。
ホテイソウは俗名で、ホテイアオイが正式名ですよ!
津田様
ご指摘ありがとうございます。
訂正させていただきます。