メダカと浮き草 1

覗き込むようにして上から鑑賞することでメダカの魅力も引き立つ。そこで浮き草の仲間を入れることで、見栄えがよくなったり、稚魚や小さなメダカの隠れ家、水質の浄化や日よけなど、利点が多い。
観賞魚店などで様々な浮き草の仲間を入手することができるので、いろいろと試してみるのも面白い。どれも丈夫で栽培しやすく、ある程度増えたら、簡単にちぎれるので他の容器に移せば増えていく。ただし、増えやすいどころか増えすぎると水面を覆い尽くし、メダカが見えなかったり、酸欠を招くこともあるので、注意したい。

アマゾン・フロッグピット

中南米を原産地とする丸い厚みのある葉を持つ浮き草の仲間で、非常に浮力が強い。
熱帯魚店などで容易に入手でき、十分な光りがあれば、ランナーを伸ばすようにして次々と殖えていく。ひとつの葉の大きさは環境によって変わるが、1円玉から500円玉くらいでそれほど大型化はしない。光は強い方がよく、室内などでは小型化したり、模様が薄れたりすることもある。
屋外ではアブラムシがよく集るので、定期的に水で流したりするとよい。状態がよいと水面を埋め尽くすようになるので、適度に間引くようにする。

オオサンショウモ

観賞魚店の他、大型の園芸店でも扱われることもある。サルビニアの名前でも知られるアメリカ熱帯域原産の浮き草。ひとつの葉は3~4cmほどになり、浮き草の中では比較的大型になる。葉の表面には非常に細かい毛が密生しており、4本の毛が先端でつながるようになるのが本種の特徴でもある。よく光りの当たる場所では、二つ折りにしたような葉が連なるようにして殖えていく。

放っておくと、あっという間に水面を覆い、盛り上がるくらいにまでなる。やはりこうなると鑑賞の妨げや水面からの酸素供給を邪魔するので、間引くようにする。
また、オオサンショウモは環境や栄養状態によって小型化することもある。

一見すると日本に自生するサンショウモと似るが、サンショウモは三輪生する葉のうち、二枚が浮き葉で、一枚が水中葉になるが根はない。オオサンショウモは小型化していてもしっかりと根を伸ばすことで区別できるが、浮いている状態だけでは混同されやすい。
こちらはサンショウモ

水田などに発生する浮き草の仲間として知られるが、野外で見られる場所は減っている。葉は3枚ずつ輪生して次々と伸びていく。一見すると2枚の葉が連なっているように見えるが、2枚の浮き葉と1枚の水中葉で構成され、上から見えない1枚は、常に水面下にあり、細かな根状の水中葉になっている。
オオサンショウモの小型化したものは本来のこんもりとした肉厚な姿にならず、小さな葉で増えていくことも多く、サンショウモと混同されやすいが、見慣れれば、葉のつき方や表面の雰囲気などの違いがわかるだろう。

緑色が基本の浮き草の仲間であるが、赤く染まるものもある。それが“オオアカウキクサ”である。

本来、オオアカウキクサは日本固有の浮き草で、絶滅危惧種II類である。冬には真っ赤に紅葉するのだが、種の同定は難しい。よく似た種に同じ絶滅危惧種II類のアカウキクサがあるが、こちらは互生する葉が三角形状に生長し、根毛が多く、茎に突起があるなどの特徴がある。それに対し、オオアカウキクサはヒノキの葉のような形に生長し、根毛が若い時に落ち、育った状態ではほとんどないのが特徴である。ただ、外国産のオオアカウキクサでニシノオオアカウキクサやアメリカオオアカウキクサも日本に分布している。これらは葉の外見での判別は非常に困難で、根毛の有無や葉の表面の突起を顕微鏡で見て判断するため、普通に観察していても見分けは難しく、“オオアカウキクサ”は数種を総称的に扱っていることもある。
属名である“アゾラ”と呼ばれることもある。大気中の窒素を栄養として生長する特徴があり、肥料分の少ない田んぼで増殖した“アゾラ”を土に混ぜ込むことで窒素分を取り込む“アゾラ”農法や、合鴨農法の餌として利用するため、外国産種も使われたようである。アメリカオオアカウキクサは特定外来生物にも指定されている。

小型でメダカの飼育槽にもよく合う。紅葉も冬とは限らず、夏場でも赤い姿を見ることができ、色合いを楽しむことができる。ただし、農法で使われるだけあり、その繁茂する速度はすさまじく、気づくと水面をびっしりと覆ってしまうようになるので注意したい。

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