オロチ×紅薊
「オロチプロジェクト」として、ブラックダイヤや星河などの作出者、中里良則氏が進められていた“オロチ×紅薊”の交配
“オロチ”プロジェクト 10-2 オロチד紅薊(べにあざみ)” F2
このF2達は、広島の栗原養魚場、そして岡山の夢中めだかへと受け継がれ、累代が進められている。
F2から三世代を進めたという夢中めだかの舟には、“オロチ×紅薊”のメダカたちが元気に泳いでいたのだが、殖やされている夢中めだかでも、「この先をどの方向へ持っていこうか??」と悩まれている部分もあった。都合F5まで来ていることになるのだが、まだまだ表現としてはばらけており、どれを採るか?なにを残すか? 見ていても悩ましいと思えるメダカたちであった。
印象的には「黄色」というイメージを受けた。
紅薊の血統を感じさせる姿であるが、色味が黄色である。紅薊の朱赤色は室内で長く飼ったりすると、色抜けして薄れてしまうことがあるが、そのような赤が薄くなった色合いではなく、黒みのある体に黄色が載って濃く見えているような印象であった。
こちらはもう少し体の黒が強く出ている個体
“女雛”などと同様に、オーロラの血筋を感じさせる頭に色が載り、体は黒みがかった表現の個体がいくつも見られた。
この黄色がもっと洗練されて鮮やかになっていったりすると、面白いのではないかと思えた。“黄薊”になるか?
他にもいろいろなタイプが見られた。
白体色。やはり紅薊のような黒い小斑が全身に散らばっていた。黒斑がもっと固まれば白黒のブチ模様になるか?と考えたが難しそうである。
逆にほとんど真っ黒の個体。明るくしてみるとうっすらと黄色を持っているのがわかったが、見た目では黒である。黒容器にいれたら、どこにいるかわからない姿であった。
しかし、黒としては、オロチのような漆黒の美しさは感じられなかった。
頭から背に入る黒い筋が野生のメダカを感じさせる姿である。見た目の感じでは、なんとなく黄色い野生メダカ?と思えたものであったが、ヒメダカのような黄色ではない。やはり黒地の上に黄色が載る感じである。
印象的には、黒の上に黄色い粉をまぶしたようなイメージであった。これはこれで渋い黄色のメダカになりそうな気もする。個人的には気になる。
F5段階まできていて、まだばらけるのも悩ましいところであるが、そこが品種改良の簡単でないところである。
さて、目立つ表現はこのような感じであったが、どこに注目して累代を進められていくのだろうか?
これもまた、さらに進んだ姿が楽しみなメダカのひとつである。