“凛華”熟成中
最近、注目度の高いメダカといえば、やはり体外光を持つメダカがあげられる。これもその姿を追い求めて、作出中のひとつである。
元々の始まりは“華蓮”ד煌”になる。
“華蓮”は、“あけぼの”で知られる小寺義克氏が作出された品種で、栗原養魚場作出の“乙姫”(クリアブラウン×楊貴妃透明鱗ヒカリ)に、阿波めだかの里作出の“灯”(クリアブラウン×幹之)を交配して、累代されたものである。その“華蓮”にメダカ交流会in愛媛の垂水政治会長が作出された“煌”の体外光を載せることを目標に進められているのが、“凛華(りんか)”になる。
小寺氏が進められていたのを夢中めだかが引き継ぎ、F4まで進められており、この時見られたのは、生後2ヶ月ほどの幼魚が中心であった。
目標とする表現としては、女雛などでも人気の頭赤で体外光が太くしっかりと載る姿である。
体外光をしっかりと載せるために、稚魚は白容器で育成し、3ヶ月弱、体長2cmほどになってから色の濃い容器へと移動させ、体色を濃くしていくようにされており、この時の“凛華”たちはまだ移動前で、色の出は薄い状態であった。体外光と共に、“華蓮”の濃い色合いも出すことも課題とされていた。
その赤の範囲も、先の個体のように頭で止まるのはいいが、後ろへと範囲が広がってくる個体では、どうしても体外光が消えてしまう。
幼魚でも、それなりにしっかりと体外光が載っていれば残りそうではあるが、この先の成長具合によってはまだ変化するという。そのため容器の工夫など、今でも試行錯誤を重ねながら育成されていた。
中には体に部分的に赤の発色を見せる個体もいたが、そうなるとやはり体外光は弱まってしまっていた。
この姿も面白そうではあるが、まず追い求められているのは頭赤の体外光である。その先には赤の上に体外光など、さらなる進化も考えられるかもしれない。まずはこの幼魚たちが育った姿を見せていただく、次の来訪が楽しみなメダカである。