西へメダカ取材 最終日

あっという間の最終日である。この日はまずは愛好家の西村さん宅へ。
お庭には数カ所に分けて飼育容器が綺麗に並べられていた。


きっちりと整頓された飼育環境で、西村さんの飼育に対する姿勢がよくわかるものであった。それぞれのボックスには水抜き用の加工もされていた。


メダカの体色を引き出すのには日光の当たりが大切とされ、水が濁ってきたり、汚れが底に溜まってきたら、すぐに水換えをされるそうで、焼き赤玉を入れられた各容器の水は澄んだ清涼な環境に保たれていた。タモもご自分で作られており、与える人工飼料も複数種を組み合わせておられた。発売されたばかりの新製品も使われており、そうした製品は積極的に試されるなど、研究熱心な西村さんであった。

数種類のメダカを飼育されているのだが、なんといっても目を奪われたのは“紅薊”であった。


「頭赤で体が黒い姿が好きです」と、おっしゃる西村さん。紅薊は入手してから3年ほどしっかりと維持されておられる。種親として使っていた三歳を迎える個体から昨年産まれの個体や今年の稚魚と、さまざまなサイズの紅薊が見られた。


その多くが、しっかりとお好みの姿の特徴を見せていた。どれもが目立つ朱色を呈しており、特に種オスとなっていた尾ビレまで朱色に染まった個体が目立っていた。
朱色の範囲が広いオスもいた。


こうした目立つ個体はオスが多く、メスで気に入る姿の紅薊はほとんど出ていないそうで、まだまだ追求する必要があるとされておられた。
紅薊を殖やしている内に出てきた別タイプの個体も分けて飼育されており、オリジナルの追求と共に、新たなバリエーションの今後の進化も楽しみであった。

今回の取材旅の締めは、メダカ交流会in 愛媛の垂水さん宅である。もちろん、垂水さんの最新メダカを見せていただくのは当然として、自分の興味の対象である女雛の作出者としてお話を聞く目的もあった。

女雛


女雛に興味を持つきっかけになったのがこの個体で、頭が柿色で体が黒灰色の表現であったのだが、その後、いろいろな所から女雛を集めてみると、その表現は無限とも思えるものであった。柿色の薄い濃いもあるが、その体への入り方が頭から全身に広がるもの、部分的にスポット状に入るものや、ほぼ点状ぐらいにしか入らないものなどがいた。そうした魚たちを見ていて、作出者である垂水さんは、どこまでを女雛と判断されるかなどをお聞きした。

撮りためた様々な表現の女雛を見ていただいたのだが、どれも垂水さんが殖やしている中で確認されているとのことであった。垂水さんご自身の思い描く女雛としては、やはり柿色の頭部で、体は黒くが理想とされていた。柿色の入り方は、それぞれの人の好みとおっしゃっていたが、柿色の際はくっきりとしている方がよいとされていた。また、垂水さんの選別点として、「オーロラポイントのないような個体を選ぶ」とおっしゃっていた。聞いたことのない単語であったが、オーロラ血統の魚がよく見せる頭部の模様のことで、垂水さんは女雛からオーロラを消すような感じに持っていこうとされていたそうだ。
最終的には、黒い体で柿色が入っていれば女雛ということだが、垂水さん始め、多くの人が頭が色づく表現を好んでいることもわかった。ただ、垂水さんもおっしゃるように模様の入り方は個人の好みなので、やはり女雛のバリエーションは幅広い存在なのだろうと思えた。

垂水さんの飼育場

左の加温ハウスの隣には、「交流会のメンバーに手伝ってもらって」という大型のハウスが建てられていた。そこには撮影用にと、交流会メンバーからメダカを集めていただいており、とてもありがたいことであった。

煌白タイプ by 敦希めだか

煌から1割ほど出るそうで、これ同士で採ると紅白の体外光が出やすいそうだ。ピンク白の体色が基本なので、煌紅白よりも煌白タイプと呼ばれている。

煌 by 敦希めだか

これぞという感じの煌であった。女雛に体外光を載せるようにしたのが煌であり、やはり体外光の存在は不可欠であった。

これも敦希めだか産であるが、女雛タイプの姿で強烈な朱色を呈していた。

煌ラメ風雅 by 敦希めだか

ヒレ長化もしっかりと作られていた。

夜桜体外光 by 友香めだか

元々は夜桜は体外光を持っていたそうだが、この太さは目を引かれる姿であった。

もちろん、垂水さんの作出中のメダカも撮らせていただいた。
鱗血統ロングフィン


体外光ともラメとも違う鱗一枚一枚が輝く特徴を持つ。さらにロングフィンも交配されている。

まだ若く、ヒレが伸びきるのには時間がかかるそうだが、横から見ると、背ビレとしりビレにその特徴はしっかりと表れていた。

ブロンズ系尾ビレ光

尾ビレに赤色と光沢というふたつの楽しめる要素を持つメダカとして作られている。

こうした新たな表現の取り組みを複数進めておられた。体外光を載せるにしても、その体外光の鱗の下の体色を考えたり、成長を急がない、白い容器で稚魚を育成して色素胞を飛ばすなど、さまざまな工夫を凝らされておられる。色物への体外光載せは難しいとされ、体色を先に上げてしまうと外光が載りにくいので、まずは外光を出すことを意識しないといけないとされていた。こうした研鑽を重ねることで、注目を浴びるメダカを世に送り出してきた垂水さん、今後のご活躍も楽しみであった。

メダカにまみれた三泊三日の旅が終了した。

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