“ラスボラ”類や小型コイ科の魅力と飼育の面白み

こちら、“ラスボラ”へテロモルファである。昔から観賞魚として人気のあった小型コイ科魚類なのだが、最近はショップでも大切に販売されていないようになってきている。現在の学名はTrigonostigma heteromorphaだが、今でも“ラスボラ”類の代表的な種類であるはずなのだが、安価な種類は「儲からない」商材として、観賞魚業界から見捨てられつつあったりする。

こちらはへテロモルファの色彩変異型の一つで、ゴールドと呼ばれるタイプ。ヨーロッパ、主にチェコで繁殖されていたもので、

こちらもへテロモルファの色彩変異型の一つ、ディープブルーと呼ばれるタイプである。マレー半島産のへテロモルファの魅力が軽視されるようになると、当然、ヨーロッパからの輸入量も減るのだが、観賞魚としての魅力というか、観賞魚を飼育する面白さ、楽しさ、そしてそこから学べることって各種の値段では計れないのである。

まず、このへテロモルファ、弱酸性の軟水から中程度の硬水を好む。そして意外に長生きする魚で、水草水槽などで「どれだけへテロモルファの体色を鮮やかにするか?」が楽しいし、容易ではないのである。

小型水槽ではなかなか安定した水質を維持することが難しく、やはり最低でも60cm水槽で飼育したいのだが、最近は60cm水槽は大型水槽の部類に考えられていると聞くと悲しくなってしまう。

たったの60リットルの水を管理する水槽が大型水槽って、いつから観賞魚業界ってこんなになってしまったのだろう?とふと考えてしまう。

へテロモルファの好む水質を作り、へテロモルファが生息する水域のクリプトコリネを状態良く水槽内で栽培する…それが出来た時にへテロモルファの体色は鮮やかになるのである。

こちらはへテロモルファに近縁なヘンゲリィという種類、

こちらはへテロモルファに比べて体側の三角形の暗色斑紋が細長いエスペイトいう種類なのだが、最近はヘンゲリィこそ時折、見るが、そういう小さいことにこだわらない熱帯魚店が増えてしまっている。

体形がよく似た、ファイヤーラスボラ Rasboroides vateriflorisは、スリランカに産する美しい種類だが、輸入されることもほとんどなくなってきている。

状態を上げれば、ここまで美しくなる小型美種なのである。

レッドライン・ラスボラも安価で美しい種類だったが、やはり見かけなくなってきている。

へテロモルファを飼った経験がなければ…
このミャンマー産のレッドフィン・レッドノーズには興味も湧かなくなってしまうかもしれない。

チェリーバルブは昔は「初心者用の入門種」とされていたが、ここまでの体色を水槽内で出すのは、ただ飼っていればこうなるというものではない。

何も難しいことを要求している訳ではなく、「飼育する種類のために最良の環境を整えようとすること」それこそが観賞魚を飼育するということなのである。

ホームセンターや廉価販売を目的としたチェーン店では、こういった種類は軽視されるのが現状で、それでは観賞魚の人気は下がりこそすれ、上がることに希望が持てないのである。

餌類、各種ウォーターコンディショナー、pHメーター…そういったものを使わないといけないとは全く言わないが、「使いたくなるように」持っていくことを忘れてはいけないと思う。

「今は難しそうなことを言うと買ってくれない」と言う話も耳にするが、「生き物を飼育することが簡単」って言うことは絶対にないのである。

どんな魚種を飼うにしても、何もしなくて飼えると言うことはなく、やはり「こうすると綺麗になりますよ!」と言う、飼育する楽しさ、面白さをもっともっと伝えなければならないと思っている。

熱帯魚業界はここ10年ほど、媚びを売り過ぎたのではないだろうか?

本当に興味を持つ人に、飼育の面白さ、楽しさを伝える…それを怠れば、やはりつまらない趣味と思われてしまうだけである。

ショップでは教えてくれない観賞魚飼育の楽しさ…それを原点に帰って、皆さんと追求していきたいと思っている。へテロモルファを飼育したことがないショップ店員が魚の説明をする…では将来はないのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です