メダカの“緑”という色 2 “緑光”のルーツを訪ねる旅

昨日は、今年の梅雨が明け、『メダカ百華 第5号』の残りの取材をするために、朝8時頃に新幹線に乗って、名古屋に向かった。

メダカの“緑”という色 1

メダカの“緑”という色 1

そこでも、今年ブレイクした“緑光(りょっこう)”についてを書かせて頂いたが、この“緑光”に関しては『メダカ百華第5号』でページを割いているのだが、原稿を書きながら、どうしても取材をしなければならない方が二人いたのである。

その一人が、凸凹めだか凸凹 http://dekoboko.blog.jpの彩さん、そして、もう一方が“緑光”となるメダカの元親が泳いでいた『グリーンベール』の山田さんであった。

梅雨明けと同時に、彩さんに連絡させていただき、取材の日程が決まった。すると、この“緑光”の発見者でもある神村さんが、自分の取材に合わせて、彩さんの所に来てくださるという事になった。“緑光”に携わったお二人揃ってお話が聞けるとは、ありがたい話であった。

こちら、彩さんの飼育容器内を泳ぐ“緑光”である。

そして、こちらが、彩さんの繁殖させている“緑光”の種親、幼魚たちである。

飼育場風景に関しては『メダカ百華第5号』で掲載予定という事で(笑)

彩さんの“緑光”である。鱗辺や背中線上の体外に輝くグアニンの輝きは独特で、写真にするとどうしてもデジカメの特製上、青味が強くなってしまうのだが、実物は誰が見ても「おぉ!緑だ!」と感じる色合いである。

こちらは体内光が強いタイプで、この体内光も“緑光”の持つ大きな特徴の一つである。

さてさて、彩さんだが、女性なのだが、かなりな腕前を持つ、メダカ作りの手練れのお方で、

万葉と万葉から出現した紅白体色の個体もこの通り!

あけぼのもしっかりと美しい個体を作っておられたのである。「このあけぼの良く出来てるじゃないですか!ってことはかなり採卵しましたね?」と尋ねると、微笑みながら、「採りましたよ」と答えられた。

その他にもブドウ眼アルビノのかぐや姫、三色ラメなど、しっかりと特徴を持った個体を繁殖させておられる方なのである。

そして、わざわざ静岡から駆けつけてくださった神村さんの“緑光”がこちら!

この個体は万人受けする表現を持った“緑光”である。

そして、神村さんが“緑光”としての特徴をしっかりと見せる、“緑光の目指すところ”と言われたタイプである。

これはクリーム体色を基調色にした“緑光”である。

彩さんの飼育場で泳いでいたこの個体を見て、「当初は“緑光”はこんな感じの表現のメダカだった」と言われた。

この“緑光”の元親が泳いでいたのが…

この愛知県一宮市にある『グリーンベール』のメダカ飼育槽だったと言われる。

こちら、『グリーンベール』の販売コーナーと入り口である。

『山田さつき研究所』で、お父さんの仕事を継がれた山田享司さんが主宰されるメダカの販売用の屋号が『グリーンベール』なのである。

こちらが、『グリーンベール』のメダカ交配、繁殖用のスペースである。

ここに泳いでいた「緑色がかったメダカ」を神村さんが見つけられ、神村さんが仕事が多忙で、飼育管理が行き届かない部分もあって、“緑光”を彩さんと共に累代繁殖されたのである。2年前からの話である。

神村さんと彩さんは、まず、この独特な体色が遺伝するものか?を繁殖されて確認、当初は『グリーンベール』に因んで、“緑紗(りょくさ)”と呼んでおられたそうである。

この“緑紗”には全身体内光の血統が入っているそうで、もう一方には黄幹之のような表現のメダカを交配されたと山田さんの記憶には残っているそうだ。

この元親を見て、神村さんが「緑」を感じられたところが凄いのである。

飼育設備が手狭な神村さんが、彩さんに累代繁殖を頼まれたことから、この“緑紗”が“緑光”と呼ばれるまでに仕上げられたのである。『グリーンベール』の山田さんは好きなタイプではなかったそうだが、こういった偶然の出会いが、今後、さらに美しさを増していくであろう“緑光”として美しいメダカに磨き上げられたのである。

「“緑光”、神村さんと彩さんに出会えて良かったですね!」と正直な感想をお二人に伝えさせて頂いた。そのお二人の努力と拘りが、静岡県浜松市の『猫飯』の池谷氏のお眼鏡に叶い、“緑光”、白幹之との交配が進む“新緑光”へと変化を見せているのである。

山田さんのところで撮影させて頂いたメダカを少しだけ!

アルビノ楊貴妃である。ここまで朱赤色の濃いアルビノに久々に出会った気がした。

静楽庵血統の三色ラメ幹之から出てきた個体で、山田さんは“薪能”のハウスネームを与えられ、これから累代繁殖されるようである。

こちらも静楽庵血統の三色ラメ幹之から出てきた個体で、“金鯱”のハウスネームを与えておられた。この二つの三色ラメ幹之から出てきた個体の特徴を山田さんがどのように操るか?楽しみである。

まだまだ、“緑光”は多くが出回っているメダカではないし、神村、彩さんのお二人が追求している“緑光”はあまり見ることがない。しかし、この“緑光”、累代繁殖ばかりでなく、交配用の種親としても今後、その重要性が高まっていくに違いない。

山田さん、神村さん、彩さん、池谷さん、この4人の存在があって、一つの新しい表現を持ったメダカが世に知られるようになったのである。

こういう過程で作られたメダカを取材できたことを自分自身はとても嬉しく思っている。

しっかし、土曜日は暑かった(大汗)。帰りの新幹線の中で、ようやく汗が止まったが、楽しく充実した取材が出来たので、新幹線の中で飲む、コカコーラは本当に美味しかった。

2 thoughts on “メダカの“緑”という色 2 “緑光”のルーツを訪ねる旅

  1. 柴田和良 より:

    住所が知りたいです。

    1. 株式会社ピーシーズ より:

      グリーンベールさんは、ショップをされておられます。
      愛知県一宮市篭屋3-17-29です。

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