メダカの“緑”という色 1
改良メダカで、“緑色”と称されるメダカは、これまでにいくつかいた。
愛知県岡崎市にある『葵メダカ』さんが、“カブキ”の改良型の一つとして、命名した“碧翡翠カブキ”がその一つで、
今月、見せて頂いた2018年バージョンの“碧翡翠カブキ”は、さらに魅力を増していた。
こちらは徳島県海部郡にある『阿波めだかの里』さんで撮影させて頂いた、“灯(アカリ)”の元親となった“緑幹之”である。
そして、こちらが、広島県福山市在住の廣江邦昭氏が作っていた“極虹(きょっこう)”の緑色系とされていた個体である。
こちらは、静岡県浜松市にある『猫飯(ねこまんま)』が幹之メダカの中から、“幹之緑頭”と呼んでいた頭部周辺に虹色素胞をほとんど持たないメダカであった。
誰が見ても「緑色だ!」というメダカの明確な体色はないのだが、幹之メダカの交配品種、特に体内光と呼ばれるタイプが交配されたメダカでは、筋肉の色合いに黒色素胞、黄色素胞が重なり合うことで、反射光が緑色がかって見える色彩はこれまでにも各地で見てきていた。
緑色は、青色と黄色が混ざり合って出来る色彩で、その混ざり合い方によって、チャートにしてみたが、青緑色から黄緑色まで、様々な色合いを見せるのである。
この“緑色”というキーワードは、メダカ愛好家が望んでいる、“憧れの色合い”の一つである。これを写真で紹介しようとすると、現在のデジカメでは青と赤が派手目に写ってしまい、なかなか誌面に反映しにくいところがあり、実際にメダカを見て、「オッ!緑色に輝いている!」と見えるところから、話が盛り上がる色合いでもある。
こちら、現在、『猫飯(ねこまんま)』で “新緑光(しんりょっこう)”と呼んでいるタイプである。写真にしてしまうと、どうしても青が強く写ってしまい、本当の緑色の輝きをお伝えできないのだが、良く出来たメダカである。
この“緑光”…ルーツは愛知県一宮市にある『グリーンベール』の山田享司さんの飼育場を泳ぐメダカであった。
そのメダカを見て、TK神村さんが「なんか緑色っぽい!」と思われたことが始まりである。体内光を持った、緑色がかったメダカだったそうで、発見されてから2年の月日が経ったそうだ。
凸凹めだか凸凹のブログ http://dekoboko.blog.jp をやっておられる“彩さん”と神村さんが知り合われ、このメダカを元親に、緑色を追求、当時は『グリーンベール』の屋号を参考に、“緑紗(りょくさ)”と呼んでおられたそうである。
その“緑紗(りょくさ)”を累代繁殖させてみて、遺伝することを確認、「この魅力的なメダカをどうしたら、世に出せるだろう?」と“彩さん”とTK神村さんは考えられ、TK神村さんは行きつけの店の一つだった『猫飯(ねこまんま)』に“緑紗(りょくさ)”を持って行かれたのである。
その累代された個体を見て、『猫飯(ねこまんま)』の池谷さんは「オッ!」と思われたそうで、「累代前のメダカでは、最初は“宇治抹茶”とか呼んでいたんですよ」と神村さんは笑われるが、直感的に“緑光”の呼称が決まったと言われる。
http://dekoboko.blog.jp
こちらのブログから拝借させて頂いた、“彩さん”の“緑光”である。
ヤフオクで入手させて頂いた、“彩さん”の中級クラスの“緑光体内光”である。
こちらは、先日、神村さんが『猫飯(ねこまんま)』で行われた猫飯フェスタの時に持ってきてくださった神村さんの育てる“緑光”である。これ、実はフェスタで販売もされていたのだが、気づいた方いたかなぁ??
こちらは、『猫飯(ねこまんま)』で維持されていた“緑光”である。この“緑光”は神村さんから来たメダカをそのまま累代繁殖されたものだそうだ。
『猫飯(ねこまんま)』で販売されていた“緑光体内光”である。
そしてこちらが、“緑光”と白幹之を交配した、“新緑光”と呼ばれるタイプである。
こちらは松井ヒレ長と交配した、“松井ヒレ長緑光”である。
どの写真も実物が見せる色合いを発揮できていないだが、改良メダカの体色の中で、“緑色”という愛好家垂涎の色合いが、どんどん現実になってきているのは、とても楽しい。ただ、単純に“緑光”と言っても、こうして“緑のメダカ”への情熱がある愛好家の想いがあって、形になってくるのである。これも改良メダカの楽しみの一つである。
これから“緑光”がどんな輝きを見せるか?ずっと追い続けていくつもりである。