光体形のメダカ 1
改良メダカの撮影を始めたのが、2004年8月のこと、今年で14年、メダカを取り続けていたことになる(汗)
その時は一眼レフのフィルムカメラでの撮影で、ヒメダカを撮っていたことが、3個前のハードディスクを見ていてわかった。フィルムの画像をフィルムスキャナーで取り込んでデジタルデータ化していたので、画像は鮮明ではないし、実に古い!(苦笑)
その8月にヒメダカの体色がより白っぽい個体がショップに泳いでいたものを持ち帰り、それが産卵して喜んでいたりしたことが懐かしい。
この個体がクリームメダカと呼ばれる体色を持っていたことが、改良メダカに興味を持ったきっかけであった。
それから季節になると改良メダカの撮影をするようになった。
個人的に好きなメダカの品種は、楊貴妃系統、そして、光体形のメダカである。これは今でも自分の改良メダカの原点として、新品種を飼育したとしても、ずっと飼い続けている。
これは“コスモ”である。『めだか倶楽部クリーク』の堀田祐二氏が「月光のようなメダカを作りたい!」で交配、選別淘汰を繰り返して作られたメダカで、ラメメダカが今ほどポピュラーではなかった頃から、このコスモは自分の好きな品種の一つに加わったのである。
写真の個体は、兵庫県在住の山田裕史氏から譲って頂いたコスモで、今年は、このコスモを鑑賞することを楽しみたいと思っているのである。
「何かと交配しようか?」とも考えているのだが、取り敢えずはコスモだけの群泳をもう少し楽しんでいようと思っている。
こちらは、“天女”である。静岡県磐田市に住んでおられた故杉田正洋氏が発見、個体されたメダカである。
楊貴妃光メダカの中から、朱赤色がはずれる個体が以前はいたのだが、それは、2004年に撮影していたクリームメダカと同様、黄色い発色を抑えるci遺伝子という「白色素胞が発達し、黄色素胞の発達が抑制される」遺伝子が楊貴妃メダカにも交配によって遺伝したものとして、発表当時から、自分の中では気になったメダカであった。
故杉田さんとは、らんちゅうの飼育者として知っていたこともあり、亡くなられたことが今でも残念でならない。
この“天女”に似た体色もメダカは、以前には見られ、楊貴妃メダカ全盛の頃に、“クレオパトラ”というブリーダーネームが一時期、知られたことがあったが、それも、ci遺伝子の作用によるものだった。
まだ若いので、はっきりとはしていないが、この“天女”も頭部と尾ビレの外縁、中央部が橙黄色に発色するようになる。この特徴は実は様々なメダカで見られるのだが、fm遺伝子という頭部と尾部で黒色素胞が少なく、その部分のオレンジ色が強くなる遺伝子の作用である。
このfm遺伝子はしっかりと各品種を見定めると、比較的、いくつかの人気品種に含まれていることが判ったりする。
光体形のメダカは脊椎骨が曲がった奇形が出やすく、美しい個体を探すと意外に苦労したりするのだが、やはり横見で鑑賞すると、その優雅さは素晴らしい。
今年は、楊貴妃光体形(東天光)も当社の東山君が作り直しの作業を進めるようだし、自分も何か光体形の品種を一つ、二つ追求してみようかと思っている。
「小さな体色の変化に気づき、その魅力を伸ばす」メダカはどんな品種でも飼育者がこだわって繁殖させていけば、とても楽しいのである!