白黒の琉金
年末も押し迫った今日、熊本から金魚が届いた。
この暗褐色と白色のサラサ模様の琉金である。
兄弟魚では、赤、黒、白の三色になった個体も出現している。
この琉金の作者は、熊本県玉名郡長洲町の島崎龍治さんである。
島崎さんの種親は埼玉県産のサラサ琉金で、昨年の10月に黒が残った個体が少なからず出たものを、今年、選抜して仔引きされたのである。
この体色がどうして出てきたのか?はわからないが、この色合いの琉金は中国産のもので見たことはあった。ただ、この琉金に関しては中国系の血統は一切混ざっていない。
また、島崎さんは、らんちゅうの作り手としても『金魚伝承』で取材させて頂いたこともある方で、琉金らしさをしっかりと作られているのである。琉金はポピュラーな品種であるが、体型、顔つき、ヒレは長過ぎず、短過ぎず…良魚の条件は非常に厳しいのである。それを島崎さんはしっかりと作り上げておられるのである。
金魚の黒色は褪色性のものなので、いずれは消失する時が来るのだろうが、ヒレ上に出たものは消えにくい面がある。
熊本県玉名郡長洲町は、金魚の産地の一つとして知られた場所で、今回のこの島崎さんの池で出現したこの琉金が長洲町の名産の品種になってくれれば面白い。
面白い…というか、この長洲町から発信され、全国の金魚愛好家の手に渡るまで量産されることを望みたいのである。