『阿波めだかの里』が作る “灯(A・KA・RI)”

2017年11月17日、徳島県海部郡海陽町にある『阿波めだかの里』にお邪魔させて頂いた。

実は『阿波めだかの里』のメインのハウスは、10月の台風21号の影響で、ハウスのビニールが飛ばされ、雨水が入ってしまい、かなりな被害を受けたのである。その後もサギが飛来したり、メダカを作っている人にとっては心が折れる出来事だったのである。

その状況下で、お邪魔させて頂けたのは、『葵めだか』の天野さん、『栗原養魚場』の栗原さんのお陰である。お二人に感謝申し上げたい。

こちらはまだハウスのビニールが補修されていないハウスの飼育容器である。

こちら、仮の補修が終わったハウスの飼育容器である。

今回、撮影させて頂いた”灯(A・KA・RI)”である。実は”灯(A・KA・RI)”については、自分でも飼っていたのであるが、「これが”灯(A・KA・RI)”!」と自信を持って掲載するためには、やはり”灯(A・KA・RI)”誕生の地である『阿波めだかの里』に行かなければならないと思っていたのである。

それが今回、この写真を撮れたことで、「これが『阿波めだかの里』の”灯(A・KA・RI)”ですよ!」と言えるようになれた。

黄色ベースで、体外光を持ち、体の後半部が明るくなっている。これが”灯(A・KA・RI)”の基本形だと思ってもらっても構わないだろう。

これが今回、撮影した”粋流し(きながし)”である。この”粋流し(きながし)”が出現したことから、”灯(A・KA・RI)”が作出されたと森口さんは言われる。

“灯(A・KA・RI)”は、四国起源の幹之メダカ×クリアブラウンと同じ系統の幹之メダカ×白メダカの交配によって作られた小桜幹之から始まったメダカである。

その中にいた緑っぽい色合いの”緑幹之”と森口さんが呼ばれるメダカにさらに幹之メダカを交配されたのが”粋流し(きながし)”である。「絵の具の原理ですよ、クリアブラウンの持つ体色を入れていけば、黄色く持っていける」と森口さんは考えられたそうである。その交配からは、副産物的に”紫織”と呼ぶ紫色がかったものや、黒幹之も出てきていたそうである。

このメダカが最初に出てきた”灯(A・KA・RI)”にかなり近い個体だと言うことで、撮影させて頂いた。

『阿波めだかの里』は、現代表者でありオーナーである森口 勉氏が2001年に趣味としてメダカの飼育を開始され、メダカの交配に没頭、2009年に青と白しかいなかった幹之メダカの寝食を作ろうと交配を開始され、2014年に黄色の体色を持った幹之メダカが誕生したそうである。

『阿波めだかの里』は、2013年に前代表であった沼島さんと共に立ち上げられたそうで、2014年に見る人の心を和ませたいと言う重いから、黄色体色の幹之に”灯(A・KA・RI)”と命名されたものである。

このことを知ることが出来ただけでも、自分にとってこれ以上ない情報収集となったのである。

【四国起源の幹之メダカ×クリアブラウン】×【同じ系統の幹之メダカ×白メダカ】の交配から、先に紹介した黄色ベースの”灯(A・KA・RI)”だけでなく、様々なタイプのメダカが出現することは、”灯(A・KA・RI)”を飼育、繁殖された方なら誰でも経験をお持ちであろう。

これらすべてが現在の『阿波めだかの里』でも出てくる”灯(A・KA・RI)”の兄弟魚である。
これまで、”灯(A・KA・RI)”を飼育、繁殖させた人にとって、表現がバラけることは、「どうしよう?」と思ってしまう部分もあったかもしれない。しかし、これだけ色々な表現を見せるものから、別の交配に使う種親を選ぶのもいいし、気に入った表現の出現率を高める交配を進めるのもいいのである。その多様に使えることが、”灯(A・KA・RI)”の長所なのである。

これらをそれぞれ体色別に固定化を進めることは出来たのだろうが、森口さん曰く、「色々なタイプが出てくるのも、それはそれで面白いのかなぁ!」と思われてのことだそうだ。固定化は”灯(A・KA・RI)”を入手されたそれぞれの飼育者の好みによってされていけば、一つのメダカのタイプとしての意義はあるのである。

基本的には、このような体色に体外光を持つものを”灯(A・KA・RI)”の目指すところに近いと思うようにすることにした。

さて、『阿波めだかの里』には、もう一品種、よく知られたメダカがいる。

2012年5月に発表された、既存の錦メダカから色揚げに成功したとされる、”阿波三色”と言う透明鱗三色である。透明鱗三色は今では全国各地に様々な系統が知られているが、ヨタロ〜さんの飼育場で撮影させて頂いたことがある、”阿波三色”そのものが、今回、『阿波めだかの里』にも泳いでいたのである。この言い方は本家で撮影して言うこと自体、おかしな表現なのだが、透明鱗三色はその特徴を維持するのがそう簡単なことではなく、「同じ表現だ!」と感激できることはそう多くはなかったりするのである。

こちらは現在、『阿波めだかの里』で交配が進められている”灯(A・KA・RI)”×白ラメから出現したメダカたちである。元々、”灯(A・KA・RI)”でクリアブラウンタイプの個体にはラメ光沢は普通に見られたのだが、そこにさらにラメ光沢を強化しようと言う交配である。

「もう他の場所でラメは完成してしまっているから」と森口さんは言われるが、”灯(A・KA・RI)”誕生の場所で、新たなラメ光沢を乗せる交配は、意味があるし、そこから生まれるラメメダカ系統も、これから見続けていきたいと思うのである。

取材を終えて、再び、岡山に向かった時の気分は、「”灯(A・KA・RI)”誕生の地で、”灯(A・KA・RI)”の写真を撮ることが出来た!」と言う満足感に浸っていた。

やはり改良品種というものは、誕生の地で見てこそ、感じられるものがある。だからこそ面白いのである。滞在時に撮影したカット数は600カット以上!さらに詳細は『メダカ百華第5号』で掲載するつもりである。

今回は台風の影響をモロに受けた後の取材となったが、また、来春、すべてのハウスが立ち直され、多くのメダカが群泳する時に再訪したいと思った。

『阿波めだかの里』のホームページは、http://awamedakanosato.com
興味のある方はどうぞ訪問ください。

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