日本らんちう協会 第62回全国品評大会を終えて…

一昨日、2017年11月3日、大阪府豊中市にある服部緑地公園ウォーターランドにて、日本らんちう協会 第62回全国品評大会が行われた。

西部本部が当番本部で行われる日らんは、いつも多くの出陳魚が出陳される大会で、今回も、当歳魚が420匹、二歳魚が194匹、親魚が116匹、合計730匹のらんちゅうが全国から「日本一を狙って」出陳されてきたのである。

colと共に帰ってからの作業が大変で、撮影した入賞魚を整理して、ホームページ使用ができるサイズにカットして、アップ作業をする。

特に日らんの当歳魚の入賞魚は、前頭の末まで注目を集めるので、その全ても画像処理するとなると、役魚48匹、当歳前頭60匹、合計108カットの画像処理、入賞者名の打ち込みをすることになるのである(涙) 

しかし、

これが昨日の日本らんちう協会のホームページの閲覧数!その閲覧数は3000超え(驚)
たったの一日でこれだけの閲覧数を記録するのだから、やはりアップ作業は頑張らないといけない。

当歳魚の部 東大関 竹内誠司氏出陳魚

当歳魚の部 西大関 竹内誠司氏出陳魚

当歳魚の部 立行司 津島洋介氏出陳魚

この愛媛勢の1,2,3には本当に驚かされた。当歳魚の総出陳数は420匹、入賞できる匹数は76匹、実に344匹の魚が誰にも見られることなく、お帰りとなるのである。出陳制限は2匹、おそらく、出陳者数で300人以上が自分の池にいるNo.1、No.2の魚を出陳されるのが日らんなのである。

その多くの魚は、各地の愛好会の品評大会に出品されれば、入賞は確実な魚が多いのだろうが、それが日らんと言えば、日らんなのである。

その中で、愛媛勢が1,2,3とは…「凄い!」という言葉だけでは表せないのである。

個人的に「愛媛勢」という言葉を使っているが、自分が最初に愛媛のらんちゅう愛好家として出会ったのが、津島さんだった。まだ岡山錦鱗会の品評大会が岡山県総合グランドのプールサイドで行われていた頃であった。その時は津島さんの魚は前頭の10数枚目にいたのだが、とても目立つ魚で、「津島さんってどの人?」と聞いたのが津島さんとの出会いであった。

その後、武下喜一さん、川本智祥さんと出会い、「愛媛三羽ガラス」と勝手に呼んでいた(笑)
丹下 常氏を中心にして、この「愛媛三羽ガラス」が自分たちの系統を追求され、自分たちの系統を確立!そこに、日本一を二度獲得した佐藤英朗さんが加わり、愛媛勢は、らんちゅう作りに切磋琢磨し合ってきたのである。

この四人が揃うと、「一体、いつまでらんちゅうの話をしているんだ?」と言うほど、深夜までらんちゅう談義が続くのである。取材に行ったある日、西条のホテルを予約していたのだが、武下さんの飼育場に午前1時過ぎまでいるハメになったことがある(涙)「だったら、ホテルを予約しなきゃ良かった!」って感じであった(苦笑)

彼らの情熱はさらに若手に伝わり、佐々木勝利さん、河本圭司さん、そして今回、東西大関を獲得した竹内誠司さん、井門 圭さんと愛媛を中心に若手のらんちゅう師が続々と名乗りを挙げてきたのである。

彼らのらんちゅう談義、らんちゅう作り、そして日々の世話は、近くに強力な仲間であり、ライバルがいるからこそ、プラスアルファの力となって魚に表現されてきたのであろう。

この結果を見て、二度の日本一の経験を持つ、佐藤英朗さんと「あなたの言った通り、竹内君が日本一を獲ったね」と話をしたことも楽しい思い出になった。

今回の竹内誠司さんの東西大関は立派であるが、個人的には津島洋介さんの立行司が自分のことのように嬉しいことであった。

竹内誠司さんの日本一のレポートは…これまでになかったギャグ満載の記事にしたいと思っている(爆)

愛媛勢+瀬野さん(徳島支部所属)の記念写真!良い笑顔である。瀬野さんは横浜観魚会、徳島愛錦会をメインとしているらんちゅう師であるが、この愛媛勢と出会って、その意識が変わったお一人である。今年も見事に日らんで入賞され、2年連続入賞となった。

でも、当歳魚の優等魚が上がってきた時の胴上げはいただけなかった。やはり多くの出陳者、来場者がいる中で、気持ちはわかるが、出陳者への配慮は必要である。ジジイの言うことは聞くように!

こちらは親の日本一、尾濱英治さんの魚である。この魚には思い出があり、こちらも嬉しい日本一であった。昨年、尾濱さんの飼育場を取材させて頂いていたのだが、その時に初めて見たのがこの魚であった。ちょうど、昨年の岡山錦鱗会の品評大会の前日のことで、「この親、出すの?」と尋ねたところ、「明日、持っていく予定です!」と言った会話があった魚で、「明日は優等は外さないね!」と言ったところ、尾濱さんは「またまたぁ」と笑い、「賭けても良いよ!」と言ったことを思い出す。尾濱さん、覚えてる?あなた「焼肉!」とか言ったよね?(爆)

岡山錦鱗会では見事に東大関を獲得!昨年の日らんでは、泳ぎが重くなってしまい、東前頭4枚目だったが、見事に一年、飼い切っての日本一であった。

親魚の部の西大関は東京の稲村俊明さんのこの魚!格付け審査では東大関と同点だったが、審査長決定で惜しくも西大関にとどまった。
もう少し腹型があれば、日本一もあっただろうが、稲村さんは急激に腕をあげておられ、今後、さらに注目を浴びるらんちゅう師のお一人となったのは間違いない。

こちら、三重の林 万貴さんの親魚。今年の中部本部大会の東大関であるが、見事に西小結に入賞された。

こちらは二歳魚の日本一!愛知の榊原英樹さんの魚である。榊原さんは、『金魚伝承第17号』で初取材させて頂いた実力派のお一人!第53回全国大会で二歳魚で東取締を獲得されてから、第55回全国大会で当歳魚2匹を三等賞入賞、第57回全国大会では当歳魚の部で勧進元二、第58回全国大会でも当歳魚で三等賞2匹、親魚でも三等賞入賞、第59回全国大会でも当歳魚で三等賞2匹、第61回全国大会でも当歳魚で三等賞2匹と安定した戦績を残して来られた実力者なのである。

表彰式の時、「長かったよ」と言われた榊原さん、本当におめでとうございます!

こちら、二歳魚西大関は鈴木和男さんの魚。今年は得意の当歳魚の部は審査員に入られたため、出陳ができなかったが、二歳魚で西大関、東前頭筆頭に入賞された。

この鈴木さんの血統が全国に行き渡り、多くの出陳魚に鈴木和男さんの血統が受け継がれていることを今年もしっかりと確認させて頂いた。血統で日本中に認められている鈴木さん、その部分はずっと伝え続けられることになるだろう。

こちらは大万(林 万貴)さんの二歳魚、東取締となった魚!

こちらも大万さんの西取締となった魚!2匹の優等賞入賞、おめでとうございます!「二歳魚では結果が出なかった」と言われていた大万さん、これで来年以降、二歳魚で戦うことも強く意識されることだろう。今年、大万さんの飼育場を見せて頂いたが、二歳魚で良くなりそうな当歳魚が多数いた。来年の大万さんの活躍が今から楽しみである!とプレッシャーを与えておこう!(笑)

それに…「ねっ!自分の選んだ魚が勝ったでしょ?」(爆)

こちら、当歳魚の西関脇となった、西部本部長、西賀一郎氏の出陳魚。10月の上旬に見せて頂いていて、「日本一になったらどうするんですか?」と話した魚である。本部長でありながら、当歳魚でしっかりと役魚入賞される…凄いことである。

こちら、当歳魚の東小結、鈴木友来さんの出陳魚である。やや役魚の中では小振りで、この位置になったが、玄人好み、本当に素晴らしい魚であった。

こちら当歳魚で東関脇となった高尾昌幸さんの魚である。今年の高尾さんの前評判は非常に高かったのだが、優等魚5匹の押し出しの強さでこの位置だったが、見事な尾型と泳ぎを見せてくれていた。
これで高尾さんの日らん当歳魚の連続入賞記録は14年連続に更新された。「来年以降、さらに高尾さんは強くなる!」そう思えた瞬間が今年の岡山錦鱗会の大会であったのだが、それについては『金魚伝承第33号』で書くことにしよう。

ちなみに小澤忠幸さんも今年も入賞され、12年連続入賞!このお二人の戦いはまだまだ続きそうである。

こちらは当歳魚で行司一となった東 秀明さんの魚である。東さんといえば、親魚、二歳魚のイメージが強いが、この当歳魚は東さんの内っ仔である。今年の東さんは九州・山口日らん会でも当歳魚の部で東大関を獲得されておられ、見事な入賞だったのである。当歳魚作りの楽しさ、難しさを経験された東さん、来年以降、確実に腕を上げられることだろう。

全国大会は最も注目を浴びる大会であるが、結果が出れば、ラグビーのノーサードの精神が清々しい。結果に文句を言う人もいるが、そう言う人から学ぶものは何もない。「結果は結果」、自分の一年間に納得していれば文句など出ないはずである。

今回の大会では、いわゆる「魚を買ってすぐに出す」という人が上位に入賞しなかったことは私にとっては嬉しいところである。戦い方は自由だが、やはり仔引きをして、あるいは当歳魚を入手して、一年以上育てた人の戦いが見たいのである。
「その魚にどれだけ飼育者の汗と苦労が注がれているか?」それこそが魚を見た人に感動を与えるのである。

今思えば、今年の第62回全国品評大会は凄い大会であった。「これぞ!日らん!」と言う大会を見せて頂けた。

らんちゅう愛好家の皆さんは今年の厳しく辛い日常管理から解放されたひと時であろう。

自分は来週は日本一獲得者3名の取材に出向く予定!それもまた楽しみである。

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