第62回日本らんちう協会全国品評大会
この全国大会。もちろん撮影という仕事で入るのではあるが、今年は魚を連れての大阪入り。
山梨錦城会、横浜観魚会で成績を残してくれた二歳魚である。9月四週の横浜観魚会を終えてからの約ひと月。9月頭の姿に戻すべく飼育をしてきた。
この秋は本当に気候が不安定で、夏前にものすごい暑さがあったと思えば、残暑は大したことなく夏が終了。そうしたらすぐに涼しげになり、梅雨時以上の長雨大雨。最低気温が10度を切ったり、週末の度に台風に見舞われること三回、太らせるためとはいえ、ただただやっているとしっぺ返しを食うことも経験済み。天気予報とにらめっこしながら、フードタイマーを調節したり、早め早めに水換えをしたりと…下手に充血などさせてしまっては元も子もない。最後の一週間ほどは舟を覗く度に「大丈夫だよな?」と変な緊張感を感じていたものであった。
諸事情により大阪には前日入り。朝、無事を確認して携帯酸素缶でパッキング。魚のシルエットは思っていた姿にはなったとは思い、やれる事はやったつもりではあった。後は本番でしっかりと泳いでくれるのを願うばかりであった。
前日の会場
手際もよく、思ったよりも早くに準備は完了。
翌朝、7時半頃に会場入りしたが、すでに多くの人が集まっていた。
前日とは違う空気が会場には流れているようだった。
当歳部門はいち早く受付を開始。
すごい勢いで控え池に魚が溜まっていく。
こうした池が四つ。計420匹が76の席を奪い合う熾烈な争いであった。
開会式の後すぐに集合写真
魚が集まっていれば、当然人も集まる。高い位置から撮ることができるのでなんとか収まるが、一人一人の顔の判別が難しいほどであった。
プールサイドには一次審査の点数池が並ぶ。
そして六面の格付け審査。
いよいよ今年の日本一が決定される。
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親、そして二歳が洗面器に上がっていく
我々のスチール撮影とDVD撮影が終わるまでは全開放されない。待たせている飼い主や観覧者からのプレッシャーをヒシヒシと感じるものだ。
そんな中、ついに当歳魚も上がりだす。
ほどなくすると遠くから大きな歓声が聞こえできた。知った人の声も混じっていたので、誰か近しい人が入賞したんだとは思ったが…
歓声の理由はこの上三匹。
愛媛の竹内氏、津島氏で、竹内氏は東西大関獲得という快挙であった。
競い合う仲間たちからの祝福の歓声が続いていた。
全ての撮影が終わり、洗面器周りが開放されると、あっという間に人だかり
特に優等魚を見るために大渋滞ができていた。
花形である当歳の注目度は当然高いが、親や二歳でもそれぞれに喜びがあり、ドラマがある。やはりこの場の洗面器に上がるという事は特別なことなのであった。
やることをやりきり、しっかりと結果を残した面々の晴れ晴れとした笑顔
こんな笑顔が出来ることが羨ましい
194匹が集まった二歳魚の中の1匹は自分のもの。結果、18点の溜め池であった。
あと1点を取れていれば、最後の洗面器争いに加われていたかもしれないが、その1点のアピールができなかった。自分なりにできることをして持ち込んだものであるが、まだまだ力及ばずという結果であった。
撤収も戦争状態
全ての片付けも終わり、帰郷。
肩にかかるカメラバッグと魚のキャリーバッグがやけに重く感じられた。
無事に終われてなによりであったが、いろいろと疲れたものであった。
頑張ってくれた魚は養生へ
この飼い主の飼育についてきてくれた魚。
加点ができるかどうかは、やはり飼い主次第である。しっかりと養生させてやりたい。