日本の川魚として親しまれているタナゴの仲間を思わせるようなフォルムをしたオデッサ・バルブ。

目、エラ蓋から尾部まで、幅広い鮮やかな赤に染まり、背ビレ、しりビレ、腹ビレは黄に黒斑が多数入る。銀に輝く鱗辺もアクセントになるなかなか派手な姿をしたコイ科魚類である。雌雄共に同じ発色を見せるが、この色合いは飼い込まれ、落ち着いた状態の色合いになる。

興奮するとさらに黒みを増した姿も見せてくれる。

若い個体だったり、移動直後や水質が合っていない時は赤みもほどんどなく、別種のような地味な姿をしている。

弱酸性から中性の水質を好む。強健な魚で、飼育自体は容易である。幼魚を購入しても、飼い込むほどに変貌する姿を楽しませてくれる。水質のあった水草レイアウト水槽にいても映える存在になる。ただ、非常に活発なので、グッピーなどヒレが大きかったり、動きがゆったりとした魚との混泳には向かない。

昭和の時代から観賞魚として扱われている古い歴史を持つ魚であるが、長い間野生の情報が不明であった。“オデッサ”はウクライナ南部の都市名で、ヨーロッパでの改良品種なのでは?とも思われていたが、2008年になってミャンマーより野生種が報告され、やっと学名Pethia padamyaが記載された経緯がある。


飼い込むことで本来の魅力的な色合いを見せる熱帯魚は数多い。多種多様な熱帯魚を中心に、水草の仲間や甲殻類、両生類、金魚、新たな観賞魚として人気が爆発した改良メダカなども含め、掲載種類数3000種以上を紹介した決定版図鑑や、熱帯魚を楽しむため、基本的な人気種をカタログで紹介し、日常管理や飼育法をわかりやすく解説した熱帯魚飼育の手引き書などの電子書籍もあります。

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