コリドラスは、南米に広く分布する小型なナマズの仲間で、非常に多くの種類が知られ、ビギナーからマニアまで、熱帯魚の中でも古くから変わらぬ人気の高さを保っている。熱帯魚を扱う店であれば、必ずと言っていいほど数種類を見ることができるポピュラー種になる。
飼育の容易な種類がほとんどで、性質が穏和なことから小型熱帯魚との混泳や、水草を入れた水槽で飼育できるのも人気の一因で、特にバリエーションの多さからのコレクター性の高さが一番の魅力でもある。
南米各地から野生個体が輸入されていたが、数が少なく高価だったり、輸送によるダメージで弱っていることもあったが、東南アジアでの養殖の成功により、いくつもの種類がまとまった数で入手しやすくもなっている。飼育経験の浅い方などは、まずこの辺りの種類から始めるとよいだろう。
パンダ
そのネーミングとツートンカラーで絶大な人気を誇る種。
エクエス
やや寸詰まりの体形で、鮮やかなオレンジ色が目を惹く。
カウディマクラートゥス
コロンとした体形で愛らしく、くっきり入る黒斑がポイント。
シミリス
“バイオレット”と呼ばれる独特なグラデーションのスポットが特徴。
コリドラスの仲間は群れでいることを好むので、できれば同じ種類を複数匹で飼育してほしい。単独の動きも可愛らしいが、群れになって動き回る様子はさらに魅力的である。
ナマズの仲間は繁殖難易度が高い種が多いが、コリドラスは群れで状態良く飼育していれば繁殖も狙える。
コリドラスの繁殖生態は独特で、メスがオスの総排泄口から精子を吸い取り、その精子はメスの体内を通り排出され、腹ビレに挟み込まれた卵に受精する。その体勢が“Tポジション”と呼ばれる。その後壁面や草などに卵を付着させる。
最近では入手しづらくなっているが、生きたイトミミズはコリドラスの大好物になる。ただし、与えすぎには注意。脂肪過多になり、繁殖しづらくなることもある。痩せた個体の立ち上げや、おやつ感覚で使うくらいがいい。
コリドラスを楽しむため、基本的な人気種から珍しい種までをカタログ写真で紹介し、日常管理や飼育法、繁殖生態などをわかりやすく解説した、飼育の手引き書となる電子書籍になります。