滋賀岐阜一泊二日 初日

 滋賀岐阜一泊2日の初日。前日から激しい雨が降っており、出発日の早朝はさらに激しい降りになっていた。最寄駅まで歩く間に、足元はずぶ濡れ、靴の中は浸水、バッグも濡れ、かろうじて濡れていないのは傘の真下の頭頂部くらいである。急ぎ足プラスマスクでメガネは曇り、大汗もかきといったひどい状態で駅に着いた。

 さらに新横浜駅では、新幹線遅延の情報が出ていたのだが、乗る一本前の新幹線から小田原静岡間で激しい雨のため新横浜駅で運転を見合わせるとのアナウンス。ホームには車両が入ってきたので、車内で待つこと約四時間、7時07分発が11時06分の出発となった。ただ、ひどい降りは小田原掛川あたりまでだったようで、車内から見る沼津、浜松といったあたりは道も乾き、陽射しの暑さが感じられる様子で、あまりの違いに変な気分であった。後から知ったのだが、熱海で起きた土石流の上を通過しており、さらにその被害の大きさを知って驚いた。結局、徐行をしながらで京都駅まで三時間ほどかかったのであった。

 前置きが長くなってしまったが、この日の目的は滋賀県の二軒のお店である。まずは野洲市『めだか藁屋』さんへ。

 当初は午前中から入る予定が、すでに午後三時を過ぎていた。次もあるということで、早速撮影をさせていただいた。販売コーナーには、数組みのお客さんがおり賑わっていた。店主の高木さんとのやりとりも朗らかで、お客さんに慕われているのがよく感じられた。

 こちらは販売部向かいに並ぶハウス。容器毎に管理番号が振られており、それぞれに3~6匹くらいずつ、種親が収容されていた。

 採卵も真っ最中である。取り出された産卵床が入る容器もずらりと並んでおり、育成中の稚魚も数多く見られた。


 『静楽庵』血統の“三色幹之”も累代されている。“紅白幹之”からの系統だそうで、やや墨の入り方は弱いものの、朱色や体外光の表現がお気に入りだそうだ。


 “うぐいすラメ” その名からわかる緑がかった色合いが目を惹いた。人気の品種だそうで、『めだかのビーンズ』の個体を種親にされていた。

 他にも“黒百式”など体内光系統やリアルロングフィン交配系をはじめ、数多くのメダカがいるのだが、いかんせん時間が足りずであった。次回はしっかりと時間をとってお邪魔しますと最後にお伝えさせていただいた。

 次に向かうは東近江市の『おととや中村』さんである。

 移動すること40分ほど、なんとか夕方の明るさが残る内に到着できたのだが、着くなりその光景には驚かされた。


 ご自宅が店舗になっているのだが、玄関前はもちろんのこと、家の周囲がすべてメダカの容器で埋め尽くされていた。隣に建つ蔵のような所も容器に囲まれ、中にもバケツが並べられていた。店主の中村さんは金魚の飼育歴も長く、管理技術は非常に高いのが感じられた。使われている多くはバケツで、それほど水量は多くないのだが、中に泳ぐメダカ達は状態もよく、盛んに産卵も行っていた。


 こちらはバケツ毎の販売分。それぞれ卵や多くの稚魚が入っており、人気のコーナーである。


 お気に入りの“バタフライ” 伸びたヒレの優美さやヒレに入る濃い色合いがお気に入りで、他にも多くの“バタフライ”を作られている。


 “極龍天女の舞” こちらもお気に入り。もちろんヒレ長品種以外も数多くいるのだが、どれも思い入れのあるお気に入り品種ばかりだということが感じられた。

 扱われている品種は約180品種、容器数は1200個ぐらいと教えていただいたのだが、容器はもっとあるのでは?とも思えた。実は屋外だけでなく、室内にも部屋を埋め尽くすように容器が並んでおり、まさに魚たちに囲まれた生活を楽しんでおられるのであった。

 時間と陽の明るさを気にしつつ、巻きながらも取材は終了。『めだか藁屋』さんと『おととや中村』さん、両店共に目移りするほどのメダカの山で、時間があればいくらでもいられる内容と雰囲気のよさであった。

 そして、この日のオチは最後にあった。明日のために岐阜羽島駅に宿泊するために米原駅から新幹線で移動。岐阜羽島到着のアナウンス入ったのに、直後に停止信号で停車。しばらくすると熱海で起きた土石流のために、この日の運行はできないとのアナウンス。降りる岐阜羽島駅はもう目の前だというのに。運行状況の調整を行っているが、自分らが乗ってる車両がどうなるかは未定、決まり次第アナウンスするとのことであった。ニュースで見る新幹線車中泊や線路に降りて歩くことを考え出していたのだが、50分ほど待ったか、アナウンスなしにいきなり動き出し、なんとか岐阜羽島駅のホームに降り立つことができたのであった。

ホテルの部屋からは、ホームに止まる新幹線が見えていた。
 今までにない経験をした1日であった。

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