黒百式の交配系

昨年の秋にお邪魔させていただき、こだわりのメダカを見せていただいた『北本の太郎』さん宅を再訪させていただいた。
初訪問時はこちら
『北本の太郎』本間さん宅訪問

当時から「色ものは苦手なんで。流行りものも仲間に任せてます」とおっしゃり、ひたすら黒百式系のメダカを追求されていたが、一冬越した太郎さんのハウス内は、さらに白容器が中心になっており、中にいるメダカもほぼ青黒い姿のみになっていた。

飼育されているのは、黒百式とその交配系である。青黒い独特の光沢ある体色を固定するために、選別を繰り返されている。メダカは保護色機能を持っており、黒い容器で飼育していれば体色は濃くなるのだが、それを明るい環境に移すと、周りに合わせて体色も薄れてしまう品種がほとんどである。太郎さんの魚たちも黒容器では濃くなるが、そこは白い容器でも体色が落ちないことを目標とされている。白い容器のクリアウォーターの状態で見ても黒いように選別を行う。上見で黒く見えても、横から見ると薄い時もあり、小型容器を使って横から見ての選別も行っている。


グリーンウォーターになった容器もいくつか見られた。これはいろいろ試した結果、白い容器でグリーンウォーターの状態で育成したところ、一番色乗りがよかったそうで、ここで育成しつつ、透明な水で選別作業をされる。

そうして作りあげられたメダカに、いよいよハウスネームを付けられていた。

まずは“黒百式”×全身体内光の“天鵞絨(びろうど)”


F5まで来た時点で名前を付けられた。画像の個体たちはF6になり、現在F7まで進められている。『行田淡水魚』の黒みのある全身体内光を使うことで、その黒みに磨きをかけるように交配を進めた系統になる。透明鱗性の個体同士をかけているが、体だけでなく顎下からエラ蓋まで黒くなる姿を目指している。さらに体側の光沢も全身に乗るように選別される。この横光は、成長とともにあがる傾向があり、1歳半くらいが綺麗にあがるとされていた。ただ、黒みの強い個体では体形が崩れる傾向もあるそうで、その辺りの選別は厳しくされている。

そして“黒百式”ד緑光”の“黒衣(くろころも)”


こちらはF3で命名。黒い体に緑光由来の輝きを体側に乗せるように進められた系統である。青い輝きを散りばめたような表現から、全身を覆うような表現までいる。黒百式の体内の黒さの表現により、その輝きの見え方にバリエーションが見られた。光沢の乗り方も“天鵞絨”とは異なり、緑光由来の輝きが映える。こちらはまだ2割ほどではあるが光体形も得られていた。それにヒレ光を乗せたり、ヒレ長化をしたりと進化系も計画されていた。

巷では体外光や多色系の派手な品種の人気が高いが、例え一般受けしないと言われても、ご自分の好みを追求し、累代を進めることで自分の理想とする姿を作り出し、いよいよ自分のハウスネームを付ける。そうしたこだわり方は、多くのメダカ愛好家の目標になるものだろう。
単純に殖やすだけでなく、交配を考え、目標とする姿へ作り込んでいく作業は、改良メダカの楽しみ方のひとつでもある。

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