光体形メダカの骨
ヒカリメダカは、本来背ビレがあるべき場所にしりビレが位置し、その分、背ビレが後ろへ押し出される形で尾ビレの上側に癒合したスタイルをしている。そのプロポーションは光体形と呼ばれる。
尾ビレ全体のサイズが大きくなり、背ビレも長くなることで、ヒレを広げたその姿は見応えがある。しりビレ前方の腹面も背に移動したことで、背ビレ前方にグアニン層の輝きを見せることが“光”の由来になっている。
光体形は、Da(Double Anal Fin)遺伝子という文字通り「二倍のしりビレ」の遺伝子によるもので、野生のメダカで確認されており、品種改良によって作られた姿ではない。現在では、普通体形に光体形を交配することで、様々な品種で光体形が作出されている。
ヒカリ体形のメダカは、骨に注意が必要である。ヒレの移行に伴う影響か、脊椎骨に曲がりを持つ個体が多い。
上見ではわかりにくいのだが、横から見ると脊椎骨が曲がっていることがよくわかる。
この骨曲がりは遺伝するため、上見で楽しむ分には問題ないのだが、種親を選ぶ際には気にかけておきたい。雑多に殖やしていると、骨の曲がった個体ばかりになってしまう場合が多い。
骨曲がりの個体は、なるべく早い時期に選別淘汰の作業を行うようにする。さほど曲がっていなくても、生長に伴い曲がりは大きくなっていく。
フルサイズまで成長した個体で上見も綺麗であったが、横から見ると脊椎骨の曲がりが見えた。鑑賞にはまったく問題ないが、残念ながら種親候補からは外された。
こちらはメス。脊椎骨はまっすぐではないが、メスの場合、卵を持つことでお腹が脹れ、その影響で脊椎骨が押し上げられてしまい、背が盛り上がるような体形になることがある。こうした場合は、卵を採る分には問題ない。
光体形同士で繁殖させていると、どうしても骨曲がりが多くなり、悩まれている愛好家も多い。ひと手間増えることにはなるのだが、光体形と普通体形で採卵することで、綺麗な体形の光体形を維持されている方もいる。この組み合わせだと普通体形も数多く得られてしまうのだが、そうしている方の光体形は綺麗な姿をしている。ひとつのこだわりポイントと言える。
もうちょっとわかりやすくしてほしい