体内に散らばる体内光の表現
体の中にグアニン層の輝きを持つ体内光メダカ。その中でも頭の後ろから尾にかけて輝きを見せるタイプを全身体内光と呼ぶ。さらに“百式”と呼ばれる一型は、その体内光が途切れ途切れに入る飛び白状になることが特徴として挙げられている。
こちらは先日お伺いした『岡崎葵メダカ』の“百式”たち。昨年生まれの若い個体たちが越冬中であった。
体内光の表現も“百式”らしさをしっかりと見せていたが、頭部の青い輝きが目についた。
内臓部分の腹膜の輝きが独特な模様を見せ、一呼吸置いて、背ビレ下辺りに見せる体内光がよいアクセントになっている。
腹膜部分の強い輝きに、飛んで入る後半の輝きと表現はよく揃った印象であった。体表面に黒い色素の連なりも確認できた。
頭部の青い輝きは薄い個体もたまに見られたが、体内光の表現はどれもしっかりと飛んで入っている。
いくつかの容器に分けられており、どれも表現がしっかりと揃っている印象であったが、どこか見たことのあるような気もしていた。種親の由来をお聞きすると、清水金魚の市場に出ていた小野久仁雄氏の“百式”とのお答えで、なるほどと思えた。
昨年の夏に、小野さんの“百式”を清水金魚で見ていたのを思い出した。
その際の“百式”
体内光の飛び具合やプロポーションの美しさで当時、いくつも並んだ市場の容器の中でも目立っていたメダカであった。改めて見てみると、体内光の表現や体表の青さなど、しっかりと受け継がれていることがよくわかる。
中にはほぼ全身を体内の輝きが埋め尽くす、まさしく全身体内光の表現の個体も見られた。殖やしていれば、こうした表現も当然出てくるだろうが、飛び白状に入る体内光表現にこだわって選別することで、しっかりと“百式”の姿が維持されていた。