『岡崎葵メダカ』へ
2020年最初のメダカ取材は『岡崎葵メダカ』へ。
『メダカ百華8号』の発送の助っ人もしていただいた、三色ラメの作り手、のぶりんさんが『葵メダカ』さんへ行かれるということで、同行させていただいた。
わいわいと話ながら、車は一路岡崎市へ。車が煽られるほどの強い風が高速道では吹いていたのだが、到着した『岡崎葵メダカ』も冷たい強風が吹いていた。それでもハウス管理がされているのでまったくの問題なし。
寒いどころか、ハウスの中では少しすれば汗がしたたり落ちるほどであった。
早速、メダカを見せていただく。今回の目的は、昨年の終わりから天野さんによってリリースされ始めた垂水政治氏の作出されたメダカ“鱗光”である。
垂水氏が作出された各鱗一枚一枚が光る“鱗血統”と呼ばれるタイプで、背の体外光の表現も独特である。背ビレやしりビレが伸張するロングフィン表現で、さらにヒレにも光沢が入る見応えある姿をしている。
その特徴は、横から見ることで最大限に発揮される。また、櫛状に伸びるヒレ先がさらに分岐しているのも“鱗光”の特徴である。
“ブロンズ”
これも“鱗光”同様に、昨年の春に垂水さん宅にお伺いした際にプロトタイプを見せていただいていたが、その名の示す色合いがさらに強く表現されていた。
残念ながらオス個体しか残っていなかったのだが、ヒレの縁取りの光も表現され、このメダカも横見が楽しめる。
そして、リリース待ちのメダカたちも見せていただけた。
まずは“王妃”
多色のアルビノを目指されて交配累代を進められており、“ブロンズ”とアルビノ幹之の交配により作り出された。一周光の血によりしっかりとヒレ光の表現は現れている。幹之メダカの輝青色はアルビノでも表現されており、そこに黄色色素まで移行され、“王妃”のハウスネームがつけられた。
こちらも横から見るとロングフィンの特徴を見せており、成長した姿が楽しみになる。
“グリーン”
赤や白など派手さはないが、渋みのある独特な色合いをしている。これも昨年、“ブロンズ”と命名される前のブロンズ系の中に色味の異なる個体が見られたが、さらに累代が進められ、命名された。“ブロンズ”から赤みを除き、黄色みを強めたことで緑がかった体色表現になっている。“緑光”などの明るい色合いの色彩ではないが、落ち着きある雰囲気を感じさせる姿で、その色合いは肉眼で見ていると、また違う雰囲気を感じられた。
鱗血統の特徴である鱗目の光り方やヒレを縁取る一周光、さらにヒレ全体にも体色と同様の色合いが淡く乗っており、他の品種同様に横見も楽しめた。
昨年の垂水政治さんの鱗血統の紹介記事は以下のブログで!
https://piscesbook.com/archives/12165
“鱗光”、“王妃”を撮らせていただこうとお邪魔したのであったが、容器を覗いていると、次々と気になるメダカたちに出会う『岡崎葵メダカ』の温室であった。そのハウスの横ではトレイに苔が並べられていた。
山採りの苔を育成中であった。石や流木なども組み合わせており、苔の生長と共に隙間が埋められていく。奥の空いたスペースに水槽やメダカの飼育容器をはめ込むようにして、楽しむためのものだそうで、インテリアとしも楽しめそうである。魅力的なメダカの紹介や育成だけでなく、いかにメダカ飼育を楽しめるかもお考えの天野さんであった。
お昼には天野さんが焼いてくださった鰻をご馳走になる。しっかりと焼き入れられた歯ごたえを楽しみながらおいしくいただいた。
お店は冬季休業中であるが、お相手をしていただいた天野さん、往復6時間以上を運転していただいたのぶりんさん、お二人に感謝の楽しい初取材であった。