台風による水質の急変からメダカたちを守る方法 2
台風10号が四国に上陸する進路をとっている。台風の進路から外れている場所では、台風によるフェーン現象も加わり、新潟県や石川県、長野県などでは、今日も最高気温が34〜37℃予報になっている。
最高気温と最低気温の気温差が1日で6℃以上になると、何度も書くが、グリーンウォーターの水質の急変が起こりやすくなる。
『台風による水質の急変からメダカたちを守る方法 1』は以下のブログで一度書かせて頂いている。
https://piscesbook.com/archives/13656
まず、全てのメダカの飼育容器の水の色とメダカの泳ぎをじっくりと観察していただきたい。
◎昨日よりグリーンウォーターの濃さが薄くなった。
◎透明な飼育水が気持ち黄ばんで見えるようになった。
◎飼育容器の壁面に生えていたアオミドロが黄色っぽい、あるいは茶色くなってきた。
こういった状態の時は、エアーレーションを施していない飼育容器なら、待ったなしで水換えをしておきたい。
また、
◇メダカたちのほとんどが水面近くをいつもとは違うやや早めに泳いでいる。
◇普段なら人影を見ると中層に避難するように泳ぐのだが、ずっと水面近くを泳いでいる。
◇一匹でも死んでいる個体がいる。
◇濃いグリーンウォーターの場合、まったくメダカが水面近くに来ない。
こういった状態でも、水換えが不可欠である。
メダカは相当、水が汚れていても餌を食べてしまうのだが、ここで朝一番に水換えもしないで餌を投入してしまうと、エアーレーションをしていない飼育容器では、その給餌が致命的な水質の悪化を招くことが少なくない。
メダカの飼育で最も大切なことは、「毎日の魚の観察」である。「生きている」ことを確認するのではなく、この「泳ぎ」を見ていくことが大切なのである。「いつもとちょっと泳ぎが違うな!」と感じたら、水換えなどによる飼育環境の改善が絶対に必要である。「まだ大丈夫かな!?」という考え方は、飼育者の怠慢であって、早めに対処してメダカが健康に泳いでいることを選ぶようにしていただきたい。
「飼育容器の水換えを定期的に行う」、これは多くの飼育書が定義的に書くフレーズなのだが、今年のような酷暑、そして今回の台風接近、上陸などの状況では、たとえ定期的に水換えしていても、突発的な水質変化が起こることも普通にあるのである。
その一つの要因が気圧の変化である。
ヘクトパスカルの単位で表される数値で、
https://www.jma.go.jp/jp/amedas_h/today-44132.html
こちらで気圧の変化を知るようにすると良いだろう。
数日の変化なら、この
『頭痛ーる』https://zutool.jp
というサイトで、自分の住む地域の気圧変化を知るようにされると良い。
「室内で卵を孵化させていた容器の針仔が全滅した」という話もよく聞くのだが、エアーレーションをせずに小さな容器で孵化させていれば、こういったことは普通に起こるだろう。孵化容器でパウダー状の人工飼料を与えていれば数日どころか、一日で水質は急激に悪化しているからである。毎日、少量ずつの水換えは不可欠なのだが、この気圧の変化があるとさらに針仔が耐えられなくなる飼育水の悪化が短時間で起こりやすくなるのである。
ウナギの養殖業者など、室内やハウスで養殖魚を育てている業者の方々は、台風だけでなく、低気圧が近づいてくることでも給餌量を減らして、気圧の変化に対処しているのである。趣味のメダカが死んでしまうのとは違い、蓄養していたウナギを全滅でもさせたら、その損害は数千万円単位になることもあり、天気予報、特に気圧の変化には注意を払っているのである。
ただ、メダカ飼育で気圧の変化を計ることを皆さんに求めることは難しいことかもしれないが、「台風が来ることで気圧の変化が起こる」ということを頭に入れて、メダカの飼育環境に対処することは忘れないようにしていただきたい。
「飼育する全てのメダカの泳ぎをしっかりと観察して、ちょっとでも普段と違うと感じたら、水換えをして飼育水の状態を良好にする」
これをしっかりと実践して頂きたい。