週末中部取材 猫飯フェスタ

二日目は浜松の猫飯フェスタである。
前日に富士、豊川の取材をした後、準備で忙しい猫飯へ挨拶し、近くに宿をとっていた。当日朝、7時前に外へ出てみると、すでに暑い。覚悟はしてきていたものの、相当な暑さになるだろうことは想像できた。
8時には到着したのだが、9時のスタートに向け、まだ出展者は準備の真っ最中であった。しかし、すでに待ちかまえているお客さんの姿もちらほらと見える。毎度感じるものであったが、メダカ愛好家の熱心さはすごい熱さがある。
そして開場。9時に入れるのは先行の分の入場料がかかるのだが、そんなことはおかまいなしである。すべてのブースがあっという間に人だかりで埋まっていた。

気温も暑かったが、来場されている方々の熱気もすごい。暑さ除けにテントが張られたのだが、しばらくは隙間もないくらいであった。

自分らといえば、早めに着いたのは先に目に付くメダカの撮影をさせてもらうためであったのだが、いくつかを撮っているうちに、あっという間に開場となっていた。

主催者である『猫飯』販売魚。
オリジナルの“雷切”

“灯”と静楽庵血統の三色ラメを交配し、さらにF3から黒ラメ幹之を交配し作出された“金剛”が元におり、ラメと体外光を両立するよう改良されたのが“雷切”になる。色合いや表現にバリエーションがあるが、このペアは特に気になった。

体内光関係も精力的に作出されている。
全身体内光の松井ヒレ長

体内の光り方も鮮やかで、優美なヒレ長に作られていた。

そしてさらなる体内光“オパール”

下半身だけでなく体内全体が光るスーパー体内光に体外光を両立させるように作られている。全身体内光とはまた違った表現であった。

お伺いする度に、新たな表現や進化した姿のメダカをいくつも見せてもらえる玉手箱のような『猫飯』であった。

ハウスの奥で撮影させていただいていたせいか、飲んだ水分以上の汗が出ていく暑さであった。開場から二時間ほどが過ぎ、やっと各ブースが見えるようになってきた。もちろん、並べられていた販売メダカはだいぶ歯抜けになってもいた。

メダカ百華7号で取材させていただいた「チーム萩田」ブースに渋いメダカがいた。
黒錦ラメ体外光

萩田さんが三色ラメに極ブラックを交配されて作出された。元々は三色ラメ狙いだったそうだが、なぜか赤がまったくでなかったという。それでも赤が出ないおかげでこの姿にできあがったそうで「結果オーライで」と笑われておられた。

そして「柄物が好きで」とおっしゃっていた「あんずメダカ」ブース
その言葉通り、三色系に目が止まった。
“極三色”

“桜錦” 雲州三色に女雛紅白を交配

どちらも思い入れのある、力を込めている品種だそうだ。
数年前までは来場者側であったそうだが、せっかくメダカを殖やしているのだからと、昨年から出展側になったそうだ。「自分が育てたメダカを気に入って買ってくれるのも嬉しいし、お客さんや他の出展者の方とお話するのも楽しいです」と、このフェスタへの参加を十二分に楽しまれていた。

ここでもう1種撮らせていただいたのが“煌系三色”

“煌”を殖やしているうちに三色寄りになったものをまとめられているそうで、その濃い色合いに惹かれて撮らせていただいていたのが、撮っているうちにムラムラと…

譲っていただくことにして、撮影後、そのままパッキングをお願いしたものだった。この次世代には、さらに三色柄に近いものも出ているそうで、これらの採卵も楽しみである。
「売る」ことよりもメダカ仲間とのふれ合いを楽しまれているのがよくわかる方であった。ブログもされおり、イベント参加や近況などを呟いておられる。
『あんずのめだか』
https://ameblo.jp/anz-heart/

そして、この日はもう1種をお持ち帰り。
体内光に興味があり飼育していたのだが、梅雨明け後の高温時、水換えの遅れから自宅の魚を殺してしまっていた。その後、猫飯フェスタの常連であるじんじんさんが昔ながらの体内光をお持ちということを聞き、販売予定のないところを無理を言って譲ってもらったのであった。

この妖しい下半身の蛍光色が好きなのである。ケミカルチックというか、本当に蛍光塗料を入れたのではないかと思える青緑の色合いは見ていて飽きない。明るい底地の容器や水槽に入れての横見では、この独特な色合いは見えなくなる。そんなところにも惹かれるのである。

体内光と言えば、最近では全身体内光の方が人気が高いようであるが、この特徴的な色合いはこのタイプの体内光しか持たない。やはりいなくなってはいけない品種だと思う。
譲っていただいたじんじんさんに感謝しつつ、しっかり殖やさなければ。
体内光は高温時に採卵するよりも、気温が下がってから採る方が綺麗になるという話しを聞いたこともある。まずはこの暑い時期に採ってみて、その辺りも実証してみたい。

文字通り、絞れるような汗をかいた日であったが、多くの収穫を得られた実り多い日であった。

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