濃いグリーンウォーターに注意
メダカを屋外で飼育していると、飼育水が徐々に緑色に染まっていく。これは植物プランクトンが増えている状態で、青水やグリーンウォーターと呼ばれる。
同じ容器が並んでいても、日の当たり方や魚の匹数、餌の量など、様々な要因が影響するので、隣同士でも緑色の濃さの違いが出ることも多い。ただし、あまりにも緑色が濃くなっている状況は好ましくない。緑色が濃いということは、植物プランクトンが大量に増えている状況で、植物プランクトンが栄養分とする窒素態や餌の残りなどによる汚れも増えている状況になる。このような状態で、雨が入り込んだり、気温の上昇によって水温が高くなったりすると、一気にバランスを崩し、メダカに大きなダメージを与えることになる。朝、餌をまくと緑色の水の中から浮かび上がってきてメダカは餌を食べていても、夜に帰ってみると、皆、死んでしまっていたということも起こる。
中にいるメダカが見えないような濃いグリーンウォーターでは、メダカの状態の観察もままならない。それでは異常に気づくこともできないので、早め早めに水換えを行いたい。
メダカを掬いだし、青く染まった水を捨てると、水底にはヘドロのようなドロッとした塊が溜まっていた。餌の残りや植物プランクトンの死骸などが溜まっていたものになる。壁面のコケなどはそのままでもよいが、底面の汚れやぬめりは取るようにして容器を洗い、新しい水を張る。
新鮮な水に入ったメダカは生き生きと活発に泳ぎ、餌を食べる。これも徐々にグリーンウォーターになっていくが、底が見えなくなるような濃さになる前にまた水換えを行うようにしたい。
また、グリーンウォーターの濃さによって水温も変わってくる。真水に比べて、不純物である塩分の入っている海水の方が水温が高くなるのと同じで、グリーンウォーターは大量にいる植物プランクトンのおかげで水温があがりやすい。
かたや魚が見えないような濃いグリーンウォーター、もう一方は底が見えるうっすらとしたグリーンウォーターである。これが隣り合った場所にあっても、朝から昼前くらいまで日が当たる場所では、水温に大きな差ができる。
約10℃もの違いができていた。ただでさえ、窒素態や汚れの多い濃いグリーンウォーターの水は、高水温になることで、環境の悪化は一層早まる。このまま午後の陽が当たるようでは、さらに水温はあがるだろう。よしずなどの日よけ対策も大切だが、汚れをため込みすぎない飼育水の管理もしっかりと心掛けたい。