メセン花盛り
肌寒い陽気になった中、カラフルな花を咲かせる多肉植物。“メセン”と呼ばれる仲間は、独特な葉姿をしており、一見、ただの塊のような、まるで植物に見えないような姿をしているが、大きな花をつけて楽しませてくれる。
南アフリカに分布するメセン科の多肉植物であるコノフィツムやリトープスは、対生して生える葉が癒着したためにできあがった特徴的な姿をしている。まるで葉っぱには見えないのだが、癒着した間から花芽を出すのである。
横から見てみると、形がよくわかるだろう。
コノフィツムは群生したような株になっていることが多い。
こちらはリトープスよりもさらに丸い塊になっている品種で、緑の団子のようである。
コノフィツムの仲間は数百種が知られている上、園芸品種も数多く作出されている。独特な姿から人気も高い。その形にはバリエーションも多く、饅頭のようにな丸いもの、先端が割れたような縦長型、楕円型で頂点部分がへこんだコマ型と呼ばれるものなど様々で、コレクション性も高い。
リトープスも同様に多くの品種が紹介されている。現地では岩や砂の混ざった乾燥した地域に分布しており、体の大部分が土に埋まり、模様のある面が表面に出ている。その様子は周りの石に溶け込むようであり、擬態する植物とも言われる。表面の模様や色合いは非常にバラエティに富み、その形や色からから「生きた宝石」とも呼ばれる。
草体に比べると比較的大きな花をつけ、白や黄、オレンジなどカラフルな花を楽しむことができる。この花は開閉を繰り返し、数日間咲き続けている。年間を通してみれば花の時期は短いものの、葉姿でも楽しませてくれる仲間である。