仔魚にブラインシュリンプを与える
ゾウリムシや針仔用の初期人工飼料を食べ始めた仔魚たち。
フ化してから10日ほどになると体もしっかりとした姿を目にするようになる。
給餌前の稚魚たち。サイズ差も目につくようになる。1週間ほど卵を採ってからだと、その生まれた日数分の差があるので、ある程度大きさにばらつきは出る。この程度の差であれば、まとめて育てている。
初期餌料を食べ、4~5日もするとフ化させたブラインシュリンプの幼生を食べることができるようになる。
ブラインシュリンプは乾燥状態の休眠卵を塩分を加えた水に入れることでフ化するもので、そのフ化幼生が高栄養の活き餌になる。その大きさはメダカの稚魚と比べてわかるように非常に小さい。それでもフ化してすぐのメダカにとっては大きいので、数日後から、少しずつ与えていくとよい。
ブラインシュリンプは走行性があり、光に向かって集まる。容器に入れてみても、明るい方へ向かって集まってくる。そこへメダカの稚魚たちが突っ込むようにしていき、活発に食べるのを観察することができる。生きているブラインシュリンプは細かな動きをするので、それがメダカの食欲を刺激するのもあるだろう。
ブラインシュリンプを食べ出すと、メダカの成長速度がぐんとあがる。
数日のフ化の差であった体の差が、より顕著にも見えてくるようになる。
明らかな差が見えてきたならば、大きさで分けて飼育すると、小さな個体が大きな個体につつかれたりするのを防止できる。
ブラインシュリンプを食べた後の稚魚たちは、お腹がオレンジ色に膨らむので、どれだけ餌を食べたかを確認しやすいという利点がある。
周りと比べて極端に食べていない個体は、小さすぎるのか、成長不良の可能性もある。
高栄養でメダカの稚魚から成魚まで喜んで食べ、しっかりとした体を作ったり、産卵数アップにもつながるよい餌ではあるが、食べ残しは急激な水質の悪化を招く。与える際には、観察しながら少量ずつ入れていき、数分で食べきる量を把握するようにしたい。残された状態で、最近のような気温が高く、室内のように風通しの悪い場所では、メダカにとって致命的な水の汚れになってしまうので注意したい。