浮き草 2
さて、まずは訂正から。
前回、サンショウモとして紹介したコレ
サンショウモでないことがわかりました。確認不足で申し訳ございませんでしたm(_ _)m
オオサンショウモが環境や栄養状態によって、サンショウモのように葉が開き、小型化することがあったのである。ぱっとみはそっくりなので、この形状のものをサンショウモと誤認識していた。
なにが決定的に違うかというと、根の存在である。サンショウモは三輪生する葉のうち、二枚が浮き葉で、一枚が水中葉になるが根はない。オオサンショウモは小型化していてもしっかりと根を伸ばしている。
横から見ると一目瞭然。ここで訂正させていただく。
ついでといってはなんだが、浮き草の仲間をもう一種。
“オオアカウキクサ”
オオアカウキクサは日本固有の浮き草で、絶滅危惧種II類。冬には真っ赤に紅葉するのだが、こちらも同定が少々やっかいである。よく似た種に同じ絶滅危惧種II類のアカウキクサがあるが、こちらは互生する葉が三角形状に生長し、根毛が多く、茎に突起があるなどの特徴がある。それに対し、オオアカウキクサはヒノキの葉のような形に生長し、根毛が若い時に落ち、育った状態ではほとんどないのが特徴である。ただ、外国産のオオアカウキクサでニシノオオアカウキクサやアメリカオオアカウキクサも日本に分布している。これらは葉の外見での判別は非常に困難で、根毛の有無で判断する。では、ここに出したものがどちらになるかと言えば、それも難しい。
根毛がはっきりわかることから固有のオオアカウキクサでないことはわかる。
ヒノキの葉状に生長するが、状況によっての差異もある。
ニシノオオアカウキクサとアメリカオオアカウキクサの違いは葉の表面の突起の数の違いになるのだが、これは顕微鏡レベルでないと見ることはできない。さらにこの二種の交雑種であるアイオオアカウキクサも存在する。これらが総称的に“オオアカウキクサ”と呼ばれているようである。
アカウキクサは属名Azollaで、大気中の窒素を栄養として生長する特徴があり、肥料分の少ない田んぼで増殖したアカウキクサを土に混ぜ込むことで窒素分を取り込むアゾラ農法や、合鴨農法の餌として利用されたのもあり、外国産種も使われたようだが、アメリカオオアカウキクサは特定外来生物に指定され、数は減っているようである。
小型でメダカの飼育槽にもよく合う。紅葉も冬とは限らず、夏場でも赤い姿を見ることができ、色合いを楽しむことができる。ただし、農法で使われるだけあり、その繁茂する速度はすさまじく、気づくと水面をびっしりと覆ってしまうようになる。
こうなるとメダカのための水中の酸素が不足してしまうこともあるので、定期的に間引いて水面を開けておくようにする。