メダカの卵、稚仔魚 2 ゾウリムシ

日本は国土の半分以上が梅雨入りしたが、メダカたちの産卵は盛期!気温が高ければ、次々と卵が孵化し、稚魚たちが泳ぎ始める時期である。

メダカの稚魚を見ると、誰でも、可愛がって、餌を与えたくなるものだが、メダカの稚魚を育てる事に関しては、多くの人が過保護というか、小さな容器でパウダー状の人工飼料を与えてしまうため、急激に水質が悪化して、稚魚を死なせてしまっている例がとても多いようである。

メダカの繁殖の上手い、下手は、卵から孵化してからの2週間、いや特に当初の一週間が何よりも大切なのである。

一番、稚魚を育てる簡単な方法は、屋外であれば、産卵床を移動するのではなく、親魚を別容器に移動して、また新たな産卵床を入れる方法である。親魚がしっかり産卵しているということは、水質が良く、また、水量も豊富だということである。

「種親と稚魚のどちらが大切か?」と言えば、実は数の多い、稚魚の方なのだが、それなのに、産卵床を小さな容器に移動して、エアーレーションもせずに結局は数匹か10数匹の稚魚しか育てていない…最悪の時には全滅させてしまう人も少なくないようである。

野生のメダカを見たことがある人なら気付くだろうが、メダカは池沼より、小川や水路など、流れがあるところで多くが見られる。

稚魚たちはその流れがある場所で、水生植物が繁茂し、陸生植物の葉が垂れ下がっている場所などに大群でいることがほとんどである。ジッと見ると、水面だけではなく、中層、下層までいるのである。

そこで、流下してくる微生物を食べて育つのである。

メダカの稚仔魚を育てるためには、何より表面積が広いこと、もし、容器が小さいのなら、溶存酸素量を保つために、弱めでもエアーレーションは不可欠である。

小さい容器でエアーレーションをしている状態としていない状態を見比べれば歴然とした差がある。それは、稚魚が水面付近にだけいるか?容器の下層、中層、下層までいるか?ですぐにどちらの状態が良いのかはお判り頂けるかと思う。水面だけに稚仔魚がいる状態は「最初からギリギリの状態」だと飼育者が認識することが必要である。

水槽など、横から見る経験はメダカ飼育者の方には一度は経験もらいたいことである。熱帯魚飼育の経験がある人は、小さな容器に50匹以上の仔魚が孵化するような状態は最初から作らないのである。

まずは、稚仔魚が酸素が豊富な広さのある環境で育成すること、それを心掛けて頂きたい。

これは、ゾウリムシと呼ばれる微生物と孵化後5日目の楊貴妃メダカ Y-30の仔魚の写真である。

この時期、パウダー状の人工飼料だけでも育成することは出来るが、この生きた餌を入れることで、成長の度合いは格段に上がる。

この白い短い線状のものがゾウリムシである。

以前はインフゾリアと呼ばれていた、今は使われなくなったとされる、浸滴虫類infusorianは、熱帯魚の仔魚で、ブラインシュリンプが食べられないベタやテトラ類などの初期餌料として、よく知られていたのだが、今、言われるゾウリムシやラッパムシなどより、微細な微生物の総称の意味合いで使われていた。

ブラインシュリンプ幼生を食べられない小さな稚魚の餌として重要で、このインフゾリアの培養が出来れば、その熱帯魚の繁殖の成功に近づけたのである。

ゾウリムシは、繊毛虫の一種 Paramecium caudatum で、ゾウリムシ属 (Paramecium) に属する種類のことを言う。

この微細な生物、すぐにブラインシュリンプ幼生を食べられないメダカの孵化したての仔魚には、非常に効果的な生きた餌である。

このゾウリムシが注目されるようになった要因は、「手軽に培養できる」からである。

培養に使うものは、1リットル入り以上のペットボトルや百均で売られている大きめのガラス瓶、整腸剤としてドラッグストアならどこでも売っている強力わかもと、エビオス、もしくはドライイースト(これもスーパーで普通に売られている。)

水草を植えた水槽で熱帯魚を飼育している水槽や屋外のメダカ飼育水の中には自然とゾウリムシが湧いていることがあり、それをピペットで吸って種にすることも可能である。ただ、ゾウリムシを見たことがないなら、市販されているゾウリムシの種を入手するのがいいだろう。今回のゾウリムシはAzumaめだかの田中拓也氏がヤフオクで分譲しているゾウリムシの種を利用した。

この、錠剤を1〜1.5リットルの水に1粒入れるだけである。

培養する水は中和した水道水で問題ない。

そこに生きたゾウリムシ入りの種水を加える。これで完成である。

危険分散の意味も含めて、数個を同時に培養し始めておくと良い。

フタをする必要はないのだが、空気中のホコリなどが入らないようにする。紙一枚を輪ゴムで止めるのも良いが、しっかりしたフタは、毎日、空気を入れるためにシェイクするので、必要である。

この空気を1日一回シェイクすることは大切である。

このまま、陽の当たらない、気温が安定する場所に置いておけば、一週間もすれば、肉眼で動きがわかるまで殖えてくる。

ゾウリムシだけを分離する方法も知られているが、容器内で集まっている場所が必ずあるので、そこをピペットで吸って与えると良い。

微細なパウダー状の人工飼料はごく少量与え、このゾウリムシを与えていれば、4、5日後には孵化したてのブラインシュリンプ幼生を食べられるようになる。

是非とも、ゾウリムシを活用してみて頂きたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です