メダカの孵化、稚仔魚を育てる 1

まだ夜の気温が下がる日はあるものの、ようやく今年も気温が安定してくる時期がやってきた。
飼育しているメダカたちも毎日、盛んに産卵行動をとっている時期である。

メダカの最大の長所は、「毎日、産卵する」という部分である。

毎日の産卵数は20粒前後、「その数を毎日、産んでいるか?」が日常管理の適切さを示すことになる。産卵数が少なければ、餌不足、水質の不適切、収容尾数と飼育密度など何らかの改善する点があると考えると良いだろう。

餌を食べる量と水質が適していることは比例しており、水質が悪ければ、餌を食べる量も減るのである。メダカは食い貯めが利かない魚のため、毎日、産卵するメダカにとっては、卵を作る栄養を毎日、補給しなければならないのである。

水質の改善の最も効果的な方法は、水換えすることである。気温が30℃を超えるような日が続けば、飼育水は数日で植物プランクトンが増大して、青水(グリーンウォーター)になってしまう。

青水になってしまうということは、植物プランクトンの栄養となるメダカの糞や残餌などから出る窒素分が多いということでもある。
また、グリーンウォーターが濃い色になると、植物プランクトンも水中の酸素を消費するため、メダカが酸欠になったり、水底にメダカに有害となる物質が溜まり、日に日に、メダカにとって住みにくい水質になってきている。

新しい水と水温を合わせ、透明になるか、ごく薄い青水になるまで、しっかりと水換えすると良いだろう。水深15cmほどでメダカの姿が普通に確認できる青水を理想として、あまり青水の色が濃くならないように水換えをしていくようにしたい。

メダカを飼育される人の多くは、エアーポンプを用いてのエアーレーションをされていない容器が多いのだが、エアーレーションをしている飼育水が、エアーレーションをしていない飼育水より濃い青水にはなりにくいし、ならない。とんでもなく濃い青水は、エアーレーションなしの飼育容器でだけ出来てしまうのである。絶対に繁殖させたい品種の産卵用容器には、エアーレーションをすると全然、状況が変わることも知っていてもらいたい。エアーレーションは酸素補給をするだけではなく、抜気する効果も大きいのである。

また、食塩を飼育容器に入れることも産卵を促す効果につながることがある。水換えしても卵の質が悪い時(指でつまむと潰れてしまったり、受精率が低く、産卵床に付いている卵が白くなっている数が多い場合など)には、食塩を飼育水に対して0.3%の塩分濃度になるように添加してみると良い。

産卵床は、ホテイソウ、シュロの産卵床、研磨素材を束ねたもの、アクリルの毛糸で作る産卵用モップと呼ばれるものなど様々である。最近ではメダカ産卵用の人工水草や浮かせるタイプの産 卵床など様々なメダカ用の産卵床が多くのメーカーから販売されている。

また100円均一のショップで研磨用の不織布タワシを購入して、それで産卵床を作るものも普及している。それらを親魚の容器に投入し、数日から一週間ほどしたら取り出すようにする。あまり長い期間入れっぱなしにしておくと、メダカは次々と産卵し、卵はたくさん付くのだが、フ化する時間にも差が出来てしまう。別の容器でフ化させて稚魚を育てる際、先にフ化した稚魚が育っていると、フ化したての仔魚は尾を囓られたり食べられたりしてしまうので注意が必要である。たくさんの稚魚を得たい気持ちはわかるが、欲張り過ぎずにいた方が結果としては良いのである。

また、確実に稚魚を得たい場合、卵だけを取り集める方法もある。
産卵床に卵が付いたままの状態でキープしていると、たくさんの卵の中にはどうしても未受精卵など状態の悪い卵があり、死んで腐ったり、カビたりする。それらは周りの健康な卵にも悪影響を与え、放置すると水温の高い時期には半日も経たずに全てカビてしまうこともある。そうした状態を避けるために、予め卵だけを産卵床から外して集め、ガーゼの上に置き、包み込んで水道水などで揉み洗いする。

こうすることで卵に付いた汚れや付着糸、未受精卵、死卵を取り除くことができる。卵をそのように扱うと恐いと思うかもしれないが、健康なメダカの卵は指で摘む時に、少々力を入れても潰れたりはしない。ここで潰れるような卵はフ化しない卵だと判断できるのである。こうしてクリーニングした卵をフ化用の容器に入れる。この容器はタッパーなど小型なものでもよいが、水量の少ない容器は水の汚れの影響も出やすいのでプラケースなど出来るだけ水量の入る容器で管理したい。容器には殺菌用にメチレンブルーやアグテン(マラカイトグリーン)などの魚病薬をうっすらと色づく程度入れてしてフ化を待つ。

メダカの卵は球形で、卵径は1.0~1.5mm程度、色はほとんど透明かやや黄色味を帯びている。メダカの卵の表面にはごく短い細毛が全面に生えているようにある。また、水草などに付着しやすいように、長さにして10~20mmほどある付着糸と呼ばれる粘着力の強い糸状の組織がある。これが水草の葉などに絡まって、しっかりと付くのである。卵は成長していく様子が外からでも観察できる。卵のフ化適温は18~30°Cで、18°Cで20日、25°Cで10日、30°Cでは8日ほどでフ化する。夏場の水温が30°Cを超える時期には4~5日でフ化することも普通である。フ化した時のメダカは体長が4~5mm程しかなく、腹に卵黄を持っているためフ化直後はまだ餌を食べない。フ化後2日ほどで卵黄を吸収し終えてから餌を口にするようになる。

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屋外で飼育している場合、どこかからウキクサを持ち込んで、水面にウキクサが大繁殖してしまい、水面を覆ってしまうこともなる。屋外で飼育する容器に酸素を溶け込ませるには、水面を風が通ることで水面が揺れることで酸素が供給される。ウキクサが水面を覆ってしまっていては、酸素の補給が出来にくくなるので、メダカの飼育にウキクサは不要である。

また、青水は植物プランクトンが大量に繁殖している状況で、数日、気温が低下したり、雨天が続いたりした場合、急に植物プランクトンが大量死して、飼育水が黄色味を帯びた透明な水になることがある。こうなった時が最も危険な状況で、「水変わり」と呼ばれる。水底には大量の植物プランクトンの死骸が沈殿しているのである。こういう急に青水が透明になった時には、メダカを掬い出して、全水量の水換えが必要である。

逆に、数日、気温が低く、曇天だったのに、急に気温が上昇し、30℃を超える天候になることもある。これから梅雨の時期になると気温が高く、湿度が高く、その上、無風の日も来るようになる。こういった状況では、飼育水の溶存酸素量が供給されず、飼育しているメダカは酸欠で簡単に死んでしまうこともある。これを防ぐには、やはりエアーレーションを行うことが一番なのだが、それが出来ない場合は、確実に水換えをして、少しでも飼育水の環境を改善することが大切である。

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