岡山の坂出和彦氏の作る、見事な三色ラメ幹之

昨年の8月に岡山RSKバラ園で開催された、メダカ交流会in愛媛のイベント会場で、見事な三色ラメ幹之を展示されておられた方が、岡山県岡山市在住の坂出和彦さんである。

昨年、岡山県落合の谷口夫妻の取材に出向いた際にも、坂出さんとお会いしていたのだが、その時の短い会話からでも、「三色ラメ幹之に凄い情熱を持っている人だな!」と感じていた。

『メダカ百華第5号』で取材をさせて頂く方をメダカ交流会in愛媛の会長である垂水さんと話していた時、「坂出さんの三色ラメどうですか?」という話しになり、二つ返事でOKさせて頂き、坂出さんにもご了承いただけたのである。

5月3日、朝の7時に、坂出さんが岡山駅西口まで迎えに来てくださった。実は5月3日は、『夢中メダカ』のオープニングイベントがあり、坂出さんもそこに行くことになっていたので、坂出さんが早朝の取材を受けてくださったのである。

こちら、坂出さんの飼育設備の一部である。坂出さんは、ほぼ三色ラメ幹之だけを飼育、繁殖されておられ、40リットル入りの容器を中心に60個以上の飼育容器を使っておられた。

この4匹はいわゆる頭部が朱赤色になるタイプである。ラメ鱗は少なめであるが、朱赤色の濃さは特筆ものである。この「ラメ鱗が少なめ」ということについては後に述べさせて頂く。

この個体も頭部が朱赤色になる個体である。そう、坂出さんの作られる三色ラメ幹之は、黒斑の多さ、切れが持ち味なのである。

この黒斑、実は作れそうで作りない、いそうでいない三色ラメ幹之なのである。

三色ラメ幹之というメダカは、『静楽庵』が作ったメダカである。坂出さんの作る三色ラメ幹之も元親は『静楽庵』の系統である。坂出さんが飼育を始められたのは、『静楽庵』の2ペアからだったそうだ。

坂出さんは、繁殖させたメダカをじっくりと観察され、坂出さんが作る三色ラメ幹之の方向性を決められたのである。

「三色ラメ幹之を繁殖させ、個体毎の違いを見ているうちに、白と黒と朱赤は相反するものだということに気付いた」と言われる。「白を求めるには、白の綺麗な個体を選ぶのが普通でしょ? 黒斑を綺麗にしたければ黒斑だけを見るでしょ?でもそれだけではダメなんです」と熱く語ってくださる坂出さんがおられたのである。

「黒斑をきっちり乗せるために、白地もはっきりさせる」、「ラメ鱗の多さだけを見ていては、狙いがボケてしまうところもある」とこれまで多くの三色ラメ幹之を殖やし、1匹、1匹を観察してこられた坂出さんだからこその説得力があったのである。

「ラメが少ない」と思われる方もおられるだろう。三色ラメ幹之では、「三色がバランスよく配色され、ラメ鱗が綺麗に輝く」そういった個体を誰もが思い描くだろう。しかし、それは多数を繁殖させて1匹、2匹出てくるかどうか?というもの、それだけ三色ラメ幹之は変化に富んでいるし、変化しやすいのである。飼育する人は理想は理想として頭に入れておきながら、やはり一番最初は自分の好みの三色ラメ幹之を作ってみることである。朱赤色、白色、黒ブチ、ラメ、この4つの要素のうち、全部を取りたいのはわかるが、まずはその内の2つの要素に注目することである。その2つの要素を表現できたら、3つ目の要素を入れることを新たに考えることを始めればいいのである。

実際には多くの個体を見ないうちに、4つの要素全てを揃えようと思っても、それを簡単には実現させない品種が三色ラメ幹之なのである。

これが坂出さんの作る、黒勝ちの三色ラメ幹之である。この黒勝ちでありながら、品のあるメダカに仕上げられる…見事な腕前である。

錦鯉風味に仕上げられた坂出さんの三色ラメ幹之である。

この個体の朱赤色の発色が濃い個体である。

「これぞ坂出さんの三色ラメ幹之!」である。黒さはしっかりと斑模様を持ち、頭部に丸い朱赤色…迫力もあり、品のある個体である。

ここまで黒い三色ラメ幹之は、あまり見ないのだが、黒斑は黒斑として明瞭さを持っている。これは坂出さんの種親の1匹である。

この2匹はラメ光沢がほとんどなくなった、非透明鱗三色へ向かう個体である。坂出さんがこの方向に進めているというより、遊び心で育てておられる魚である。この系統はこの系統で坂出さんは楽しく観賞されていそうであった。

この三個体は、なんと!坂出さんのハネ個体の飼育容器で飼われていた個体である。

「ハネはハネなんですけど、自分の狙っている親で採りながら、余裕があった時にこの中から選んで、採卵したりします」と坂出さん、この1匹、1匹をじっくり見てみると、それぞれが味があるのである。「一軍ではないんですけど、作り直ししようという時にはこういった魚を使うことがあるんです」と坂出さん、なるほど、どの方向にも三色ラメ幹之を操っておられるのだと感じた。

坂出さんは5月にはグループで採卵され、その後は1対1での採卵に変えられるそうである。

坂出さんがここまで三色ラメ幹之にこだわっておられるのは、「錦鯉の品評会では、やっぱり紅白と三色が上位に入賞するじゃないですか、やっぱり三色と紅白ってそれだけ人を惹きつける魅力があるんですよ」、「そのミニチュア版というか、メダカでもやっぱり見応えのある三色を作りたいんです」と坂出さん、三色ラメ幹之作りへの情熱と、観察が、美しい坂出さんの三色ラメ幹之となっているのだと感じた。

多くの三色ラメ幹之を撮影させていただいたが、その本当の美しさは、『メダカ百華第5号』をご覧いただきたい。

朝から、『夢中めだか』まで、坂出さんには本当にお世話になりっぱなしになってしまった。坂出さん、ありがとうございました。

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