静楽庵の進歩し続けるラメメダカ各品種 2018

5月3日、総社で行われた『夢中めだか』のオープニングイベントに参加後、在来線に乗って津山駅まで行くつもりであった。それを、午前中に取材させて頂いた、メダカ交流会in 愛媛の坂出和彦さんが、同じメダカ交流会in 愛媛所属の植本孝弘さんに、津山まで車に乗せていっていただく話をしてくださったことで、レンタカーを借りる津山駅まで、植本さん運転の車で送ってもらえることになってしまった。それだけ長く、『夢中めだか』に滞在することが出来たし、本当に感謝の気持ちでいっぱいであった。

植本さんはアロワナなどの熱帯魚飼育を経て、現在は坂出さんたちと共に改良メダカ飼育を楽しんでおられる方で、津山市にお住まいだったことで、本当にありがたい車中の時間を過ごさせて頂いた。「植本さん、本当にありがとうございました!」

津山駅でレンタカーを借り、一路、美作インターへ!昨年の5月3日以来の『静楽庵』での撮影となった。

5月3日は『静楽庵』ではメダカのイベントが行われており、イベントが終了する時間を目指しての一年振りの訪問をさせて頂いた。

撮影用のモデルとなるメダカは、信請さん、博請さんが予め用意してくださっていたので、すぐに撮影を始めさせて頂いた。

まずは、いつもの『静楽庵』の飼育、繁殖設備へ!

こちらは、常設されていた『静楽庵』の販売用のメダカが入れられたスペースである。

まずは、オーロラ黄ラメ体外光から!どうです?この体外光の輝き!「素晴らしい!」の一言である。

昨年より、ラメと共に、注目を浴びるようになったのが、「体外光を入れていく」という作業で、愛媛県西条市の垂水政治氏が“女雛”と“夜桜”とを掛け戻し、“女雛体外光(ハウスネームは煌)”を発表したことなどから、「体外光」が新たなメダカの改良のキーワードの一つとなったのである。

多くの魅力的なラメ幹之系統をリリースされる『静楽庵』では、体外光を入れれば、更に魅力的なメダカになる系統をいくつも維持されていたのである。

この5匹は、三色ラメ幹之体外光である。

『静楽庵』のホームページでの説明では、「3色ラメ幹之に体外光が入る品種です。赤・白・黒の体色にレインボーカラーのラメが入り、更に体外光が加わった「3色ラメ幹之-体外光タイプ-」は、まさに現在のメダカ品種の中で「最も多彩な品種」のひとつと言えます。

と書かれているメダカである。何より素晴らしいのは、この幅広の体外光が乗っているという点である。

オーロラ幹之の血統が入っているメダカに体外光を乗せることは、「幹之のフルボディを交配すれば出来る」と思われがちであるが、もちろん、作業としてはそういったものなのだが、一度、完成した三色ラメや紅白ラメに再び、青幹之由来のフルボディを交配すれば、「ふり出しに戻る」交配になるのである。

『静楽庵』の博請さんが、昨年、見出していた、三色ラメの黒色や赤色の部分を突き抜けて体外光が最上部に発色する個体を見つけていたからこそ、ここまでの体外光が乗ったのである。

撮影させて頂いた個体は、まさに5月に採卵していた種親ばかりで、数ヶ月後にその結果が更に美しさを増して発表されることだろう。

この2匹はオーロラ黄ラメ幹之黒タイプに体外光を入れた系統である。体色の濃淡には個体差があるが、面白いメダカが出て来そうである。

この個体は黒ラメ黄幹之に体外光を入れた系統である。このままでも渋い魅力があるし、新たな交配に用いる種親としても幅が広そうである。

『静楽庵』の朱赤色が濃くなり、ラメ鱗が美しくなった、2018年版の三色ラメ幹之である。この完成度の高さ、やはり「オリジナルを作り、年間に6世代を進められる『静楽庵』ならではのものだ!」と思いながら見ていたのである。

こちらも2018年版の三色ラメ幹之である。多くのラメ鱗が整然と並ぶように発色しているのがお判りかと思う。

この1匹、これも三色ラメ幹之なのだがオーロラ幹之血統を持ったラメ幹之でも、ここまでの朱赤色が乗っていたのである。メダカの朱赤色は、多くの人の憧れであり、今尚、「赤い楊貴妃メダカ」を目指す愛好家は多い。その中で、三色ラメ幹之でこの朱赤色を獲得したメダカが出て来たということは、更に三色ラメ幹之を美しくする要素が見えたと個人的には感じたのである。

「この冬は寒さが厳しくて、ボイラーを作動させるための油代がとんでもなく高かったです」と信請さん、でもその経費は、他の追随を許さない、「さすがは『静楽庵』!」というメダカの姿として結果を残していたのである。

この2匹は三色ラメ幹之であるが、スワロー(風雅)血統を交配して、ヒレ長化された個体である。『静楽庵』ではこのヒレ長化もラメメダカに磨きをかける一つの方向として作っておられるのである。

こちらは、人気の紅白ラメ幹之、特に朱赤色の濃さが増しており、「紅白らしい」仕上がりを見せていた。

こちらはクリアブラウンラメ幹之スワロー(風雅)である。

毎年、『静楽庵』のメダカを見せて頂いて来たのだが、注目されるメダカであるが故に多くのプロ、アマチュアが『静楽庵』血統のラメメダカを入手され、繁殖され、また異品種交配にも使っておられる。ラメメダカの全国への浸透は、ここ『静楽庵』がなければ、今日のようなメダカは見られなかったのである。

「ラメ系統だけで勝負する」この難題を毎年、確実に超えて来られた『静楽庵』の倉内ファミリーの日々の努力と観察力には、ただただ敬服するだけである。

自分の出身地が『静楽庵』から至近の場所であることは、これまでにも度々、書かせて頂いたが、今回は、イベントでお疲れのところ、倉内ファミリーと楽しい、夕食の時間を過ごさせても頂いた。

時間としては二時間半ほどであったが、食事をしながら、ずっとメダカの話しを出来るって、本当に至福の時間を過ごさせて頂いたのである。

食事を終えて、自分は宿泊場所である新見にレンタカーで向かったのだが、倉内ファミリーに見送られ、とても暖かい気分で帰ることが出来た。

『静楽庵』の作るメダカは、これからも確実に日本のメダカシーンに大きな影響を与え続けることは間違いない!

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