広島福山、深川善正氏の作るメダカ 『日本改良めだか研究所』のメダカたち

先週の日曜日、早朝の新幹線に乗って、福山駅に向かった。

いよいよ、『メダカ百華第5号』の本格的な取材に入った。なんと、今年は、魅力的な改良品種を作っておられる方が多く、2018年は6月に『メダカ百華第5号』、10月に『メダカ百華第6号』の二冊の発刊を予定することになったのである。お一人、お一人をじっくりと4ページで掲載させて頂くと、30人でアッという間に120ページ以上になってしまうのである。そこに魅力的な品種、新たな品種の情報を加えると、2冊分は十分に出来てしまうのである。

ひたすら頑張って取材をして、原稿を書いて…作り手の自分が楽しみながら編集していく予定である。

2018年になり、改良メダカの人気は全国的なものになり、今月になって本格的なメダカ繁殖シーズンがやってきた。2018年も全国各地で新たな表現を見せるメダカが誕生することだろう。

『メダカ百華第5号』の2018年最初の取材は、広島県福山市在住の深川善正氏の飼育場、メダカからになった。

深川さんの飼育場である。

昨年から設備を整えられている飼育場で、この写真の場所には、現在、116面の容器が並んでいる。

こちらは繁殖用の容器などが並ぶスペースである。

練り舟の中には、深川さんの育てられたメダカたちが元気に群泳していた。

深川さんのメダカ飼育歴は10年余りになるそうで、きっかけは、深川さんの娘さんが白メダカや青メダカなど品種ミックスのメダカを持ち帰ったことだったそうだ。

深川さんはその後、楊貴妃メダカを「とことん飼った」そうで、それから、深川さんの飼育場の環境に合った「日射の強い環境で美しさが発揮される」品種を飼ってこられたと言われる。「この場所そのものもメダカ飼育に良い環境だと選んだ」そうで、「この環境で赤色を引き出すメダカ」を主に飼ってこられ現在に至ったと言われる。

深川さんが作られた“漁火(いさりび)”である。楊貴妃と紅、それに琥珀透明鱗を掛けて作られたと言われ、目指した姿は「黒っぽい透明鱗三色」だったと言われる。

その目指す方向をしっかりと表現したメダカが“漁火”であった。

こちらは、深川さんが“万葉”と赤ラメを交配して作られた、“万彩(まんさい)”である。上がオスで、下がメス。「今、残しているのはこのペアだ」と言われた2匹で、オスの三色の模様、色味の濃さは非透明鱗三色の中でもトップクラスの姿であった。

こちら、“来光(らいこう)”である。金龍さつき園が命名した“煌”を深川さんが、漁火同様、鮮やかな赤さが現れるタイプへと作られ、この姿にされたメダカである。“漁火”同様、赤色を光と例えた深川さんの狙いを表現したブリーダーネームである。皆さんには御来光 (ごらいこう) から意味を感じ取って頂くのがイメージがわくだろう。

この三個体は、深川氏が“煌 part-1”としてヤフオクなどでリリースされているブラックリム系のメダカで、福山近辺では、垂水政治氏の作られた“煌”、『めだかの館』のシルバー光ダルマ(煌)とは違う、このメダカが金龍さつき園が命名した“煌”として通っていたメダカである。

ブリーダーネーム、ハウスネーム、ニックネームと呼ばれる呼称には、先取権の決まりごともないし、現在、使われている様々なブリーダーネーム、ハウスネームを全て把握しているという人もほとんどいないだろう。しかも、以前、使われていて、今はそのメダカそのものがいなくなっているものもあるだろう。

いずれは、そういったものが整理されることが必要になるかもしれないが、愛好家の間では混乱してしまう可能性が高く、このメダカを「福山で知られている“煌”」として記録しておくことにした。

こちらは、深川さんが“来光”と“黒蜂”を交配して作られた“金星(きんぼし)”である。「もう一回、交配して、さらに赤さを強めたい」と深川さんは言われていたが、この“金星”の見せる独特な色合いはブラックリム系のメダカとしては面白い色合いだと感じた。

こちらは深川さんが累代繁殖させておられる透明鱗三色である。

こちらは深川さんの透明鱗紅白である。

そして、深川さんが改良品種作りにも使われてこられた“栗神(くりかん)”がこちらである。透明鱗三色系の赤色の濃い系統である。

深川さんが屋号の『日本改良めだか研究所』を使われたのは5年前のことだそうで、「やっぱり新しいメダカを作ること」を表現されておられるのである。

「やっぱりメダカは楽しいわな」と深川さん、「メダカの世話をしている時は、楽しいことを好きなだけ出来るから!」と微笑みながら言われたのである。

深川さんのメダカは、体形がしっかりとしている。それは、深川さんの「メダカ作りは体高を作って、しっかりとした体形にすること」を基本としておられるからだと感じた。「これからメダカを飼う人も、まず、体形作りを忘れないで良いメダカにして欲しい」と言われておられた。

深川さんの飼育場は、まだまだ拡張予定で、「これからもメダカ愛好家が喜ぶメダカ作り、それを目指して、努力していきますよ!」ととても楽しそうに言われる深川さんだったのである。

『日本改良めだか研究所』のネットショップは以下のアドレスから!
https://www.medaka-himeken.com

深川さんのメダカについては、更に多くの個体を『メダカ百華第5号』で掲載する予定である。

1 thoughts on “広島福山、深川善正氏の作るメダカ 『日本改良めだか研究所』のメダカたち

  1. 西岡 勝秋 より:

    私はメダカの事は解りませんが、ブログを見て深川さんは研究熱心で勤勉な方だなと思いました。
    メダカは散歩の途中、時々観賞させて頂いています。我が町に素敵な方がおられ誇りに思います。
    是からも品種改良を重ねられ、立派なメダカを育成して下さい。陰ながら応援しております。

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