楊30のダルマ体形
去年の夏は猛暑なんてもんじゃない猛暑!
その暑さは9月まで続いた。
9月中旬からは台風襲来、そして11月になると突然、気温が思いっきり下がった年であった。
その夏場に孵化した楊貴妃メダカの中でも人気タイプの一つである楊30、ずっと世代交代をしてきているのだが、気温が高かった頃だったため、山ほど、ダルマ体形が生まれてきた。
先週、選別したところ、コロコロした楊30ダルマが50匹以上いた!
ダルマメダカと呼ばれる体が著しく縮んだ体形を持ったメダカは、楊貴妃メダカ、幹之メダカを始め、ほぼ全ての体色変異型に存在する。その寸が詰まった丸い体形は、品種を問わず可愛らしい印象で人気が高い。
ダルマメダカはfu遺伝子という脊椎骨を短くする遺伝子によって出現するもので、水温が30℃以上で明確にその特徴が現れる。そのため、夏場など高水温が続く時に採卵すると、ダルマや半ダルマの個体が多く出現しやすくなる。fu遺伝子は「癒合する、溶和する?いう意味のFusedの頭文字をとったもので、ドワーフ遺伝子とも呼ばれる。ダルマメダカは単に体の短い奇形なのではなく、野生のメダカでも見られる遺伝子による体形である。
fu遺伝子には主に5タイプの遺伝子があるとされており、ダルマと半ダルマとではfu遺伝子が異なる。完全なダルマ個体を殖やすには完全なダルマ同士で採卵していくことが最適なのであるが、ダルマ体形のオスは産卵行動が下手なため、メスが山ほど卵を産んでも、受精率が極端に悪くなる。
「普通体形と半ダルマで採卵するとダルマが採りやすい」という考え方が多いのだが、半ダルマとダルマは別のfu遺伝子なので、兄弟から出た普通体形のオスをダルマ体形のメスに交配する方法でも、半ダルマを交配するのと意味は同じになる。
こういったコロコロの丸みのあるダルマ体形が好まれる。
この個体は半ダルマであるが、半ダルマよりはややダルマ寄りの個体である。
こちらは半ダルマとされる体形である。
これは飼育者の意に無関係に出現してくるもので、ダルマ体形のメダカを繁殖させるためには、なるべく多くの卵を採卵すること、そして、卵の時期から水温を28℃以上で維持しながら育てることである。
これだけまとまって出てくると、結構、楽しいんで、皆さんにも今年、チャレンジして頂きたいと思う。