ブラックメダカ
シロやアオメダカに次いで古くから知られる品種であるブラックメダカ。文字通り黒みの強い体色が特徴である。
野生のメダカから黄色素胞が欠如したのがアオメダカで、ブラックメダカはアオメダカのより黒色素胞が多くなったもので、黒みの強い個体同士の選抜交配で作られた。
アオメダカよりもわかりやすい表現である。
シロ、アオに対し、クロメダカではないのか?とも言えるが、野生のメダカをヒメダカに対しクロメダカと呼ぶこともあり、品種として区別するために呼び分けられている。
こちらは野生のメダカ。クロメダカ、川メダカなどとも呼ばれる。
黒色素胞、黄色素胞を持つため、黒色というよりは褐色に近い色合いをしている。
ブラックメダカの中には色みのバリエーションも見られる。
青黒い表現を見せるもの
黄色素胞が強く、茶色がかるもの
などが混じっているのをよく見ることができる。これはこれで面白いものである。
ブラックメダカの体色は、周りの環境に左右されやすく、室内の水槽や明るい色合いの容器では薄れてしまう。
屋外から水槽に移すと、数日で明るい体色になってしまうもので、ましてや白い容器に入れようものなら、見る見る明るい色合いになってしまうものだった。やはりブラックメダカも屋外で陽の光が当たる環境で飼うことで濃い姿を楽しめるものであった。
しかし、より黒みの強い個体を交配することで、ブラックメダカのクオリティは上がっていった。2009年、めだか倶楽部クリークによって発表された小川ブラックは、一際黒い体色をしており、体色も薄れにくいことで注目された。
その後も人気を保ち、現在ではさらに濃い色合いになっている。
ブラックメダカは黒の濃さが追求され、行田淡水魚の行田ブラック、小山メダカセンターのOMCブラックなど、白い容器に入れても黒の体色が色褪せない品種が作出されている。
そしてオロチが登場する。
飛鳥めだかによって作出されたオロチは、その圧倒的な黒さでブラックメダカの最高峰とも言える。黒の濃さが別次元と言えるだろう。さらにこの体色は太陽光に当たらなくとも色褪せず、室内で飼っていても黒いままである。
究極のブラックとも言えるオロチは、現在、他品種との交配などさらなる進化を遂げつつある。まだまだ楽しませてくれるだろう。