“平和錦”、この魅力的な非透明鱗三色、非透明鱗紅白
昨日、静岡県牧之原市にある『平和めだか』さんにお邪魔させて頂いた。『平和めだか』の和平粛統さんのメダカと言えば、第6回春季メダカ品評会において、バラエティ部門で優勝した尾びれが大きく扇状に伸長した“羽衣”を思い出す。その姿を実際に見た時の衝撃は今も忘れない。
だが、今回の取材のメインのメダカは…
和平さんが6年前に白ブチメダカに黄色っぽい色素を持った幹之メダカを交配、磨きをかけてこられた非透明鱗三色の“平和錦”である。
雲州メダカがとんでもない注目を浴びているのだが、この和平さんの作られている非透明鱗三色はこれもまた見事なメダカであった。
この“平和錦”、和平さんと友人の二人でじっくりと作り続けてきた非透明鱗三色で、白ブチメダカに黄色っぽい色素を持ったメダカを交配してから10世代は数えてきたそうである。
白ブチメダカに黄色っぽい色素を持ったメダカを交配から生まれた“平和錦”、この黄色っぽい色素を持ったメダカに幹之メダカの血統が入っていたか?は不明であるが、多くの非透明鱗三色で見られる、幹之メダカ血統から来る、腹ビレの外縁などに青白いグアニン層が見せる光沢がわずかに見えるのだが、この“平和錦”には見えないのである。
“平和錦”の卵、稚魚が育成されているケースである。
こちらには“平和錦”の幼魚が美しくなるのを待って飼われていた。
この“平和錦”、大別すると黄色系(黄金系)、赤系、紅白系に分けられる。
こちらが紅白系である。紅白で非透明鱗となれば、錦鯉で言う紅白と同様の白さが期待できるのである。白色が濃くなれば、それだけ朱赤色とのメリハリがはっきりとしてくるため、この“平和錦”の紅白系は今後、さらに注目度を高めることだろう。
こちらが“平和錦”の黄色系(黄金系)である。非透明鱗三色に関してはどうしても赤系の人気が高い傾向があるのだが、この黄色系(黄金系)、この色合いは色合いで魅力がある。
もちろん、メダカに朱赤色を求める方々が圧倒的多数派なのは理解できるが、非透明鱗三色でのこの色合いは自然と言えば自然な色なのである。
ただし、この“平和錦”の黄色系(黄金系)は、黄色系(黄金系)でありながら、幹之メダカの血統から来る、ヒレ先の青白い縁取りが全く出ないのである。「発表するまで隠しておこうと10世代を地道に選別淘汰でやってきた」と言う和平さんと友人の二人三脚の努力がこういった、ヒレ先の青白い縁取りが全く出ない系統へと固められたのである。「最初はこの黄色系を追求してきたんですよね!」と和平さん、もちろん、赤系に魅力があるのだが、この黄色系(黄金系)には和平さんの想いが詰まっているのである。
非透明鱗三色の一つの系統として、“平和錦”はしっかりと確立された系統であることを、今回、じっくりと見せて頂いた。
他にも、栗原養魚場血統の紅帝や
朱赤透明鱗錦など、魅力的なメダカが数多く見られた。
これは和平さんのオオクワガタ主体で14年ほど続けられた甲虫繁殖の経験などから培われた、「細部にまで拘る」ところが改良メダカ作りに活かされているのだと感じた。
『平和めだか』も看板を上げてからもうすぐ二年を迎えるそうである。この“平和錦”、是非、実物を見て頂きたい非透明鱗三色なのである。