以前は見る機会さえ少なかったヤドクガエルの仲間だが、流通ルートの開拓などから輸入量も増え、器具や餌、飼育環境の充実により、だいぶ身近な存在になった。さらには熱心な飼育家による国産の個体もわずかながらも流通するまでにもなった。

 ヤドクガエルとひとくくりにされるが、中南米に分布する小型の昼行性ガエルを広く指しており、その中には様々な種類がいる。同じ種類でも地域型などのバリエーションも多く、その小さく美しい姿から“密林の宝石”とも呼ばれる存在である。

コバルトヤドクガエル
 これが自然の色なのかと疑いたくなるような鮮やかな体色が目に焼きつく。ヤドクガエルの中では比較的大型だが、それでも体長4cmほど。美しさと共に人気も非常に高い。

キオビヤドクガエル
 黄色と黒という色の組み合わせは、スズメバチなどでも見られる代表的な警戒色として知られるが、いろいろな分野で人気の高い配色でもある。オスの鳴き声はヤドクガエルの中でもトップクラスの美しさとして知られる。

イチゴヤドクガエル
 その呼び名の通り赤い色彩が特徴だが、手足が青いものや黒いスポットが全身に入るもの、まったく赤みが入らず青黒いものや若草色のものまで非常にバラエティに富む種で、学名のプミリオの呼び名でも知られる。

 ネオレゲリアなどの観葉植物の流通が増えたこともヤドクガエル飼育に役立っている。野生のヤドクガエルもネオレゲリアをシェルター代わりにしていることもあり、こうした植物やコケなどを組んでレイアウトすることで、より自然に近く、見た目もよいヤドクガエルの落ち着ける環境を作ることもできる。
 しっかりと飼えば、繁殖まで楽しむこともできるヤドクガエルの世界をお薦めしたい。

 ヤドクガエルを楽しむため、40ページ以上で種類の紹介をし、経験豊富な著者による飼育に関する解説は、植物を使った飼育槽のレイアウトや生き餌の調達から自家繁殖、飼育に必要な器具類などまで詳しく紹介した、飼育の手引き書となる電子書籍になります。

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