エイと言われれば、多くの人は海に生息するとイメージするだろうが、南米や東南アジアなどの淡水域である川に生息する種類が輸入されてくる。淡水エイは、U.F.O.のように泳ぐ姿やその独特な体型、バラエティに富んだ模様の美しさなどから、人気を獲得した。


基本種とも言えるモトロ。ブラジルやペルー、コロンビアなど広範囲に生息しており、産地での色柄の違いはもちろん、同産地でも個体ごとに変化があったりとバラエティに富む。


トップクラスの美しさを見せるポルカドットスティングレイはブラジル産。漆黒の地に大小様々なホワイトスポットが散る姿が特徴。


全身に散らばる金のスポットがさらにリング状の模様に囲まれるという複雑な表現を見せるゴールドリングスティングレイ。クロコダイルスティングレイとも呼ばれる。

 1990年代には様々な種類が大量に輸入されていたが、その後原産地ブラジルでの保護政策により、輸入量は激減した。それでもペルーやコロンビア、ヨーロッパルートなどの輸入や、台湾やタイなどで養殖が盛んに行われ、交配品種も見られるようにもり、バリエーションの楽しみもより強くなって今に至る。


タイでの淡水エイ養殖場。プールのような広いタイル張りの環境に複数匹が混泳されている。

 水質の変化にデリケートな面があり、飼育難易度の高い魚という印象も持たれる。特に移動時などの水合わせはしっかりと行うようにし、水質の悪化に注意してあげたい。そうして環境に慣れた個体では、頑強さを取り戻し、人工餌料にも慣れやすい。最近では熱心な飼育者による国内繁殖も複数報告されるようにもなった。状態のよい個体を選び、適切な導入をし、正しい飼育をすることによって淡水エイの飼育を楽しめる方は確実に増えてきている。


 淡水エイは交尾をして、メスが子エイを出産する。淡水エイ飼育者ならば、自分の水槽で見たい光景だろう。ひとつの目標にしてほしい。


 淡水エイを楽しむため、基本的な人気種を中心に豊富なカタログ写真で紹介し、日常管理や飼育法をわかりやすく解説した、飼育の手引き書となる電子書籍になります。

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