2025年2月11日、茨城県神栖市で『めだか専門店ぱれっと』として“和墨”血統を作り、操る有岡麻世女史の飼育場に撮影に入らせて頂いた。今回は期間限定の専用ハウス内での撮影をさせて頂いた。
数日前に「ちょっと良い魚が出来たんで撮ってください!」と電話があり、それは見るのが楽しみだと感じて神栖へと向かったのである。
ますは”和墨白銀三色リアルロングフィン”から!”和墨白銀”は、“銀墨”דルーナ”の交配から進められてきたアースアイ、グロウボディを持つ系統である。“銀墨”は、“和墨三色“דクラウドグレーダイヤ”の交配に”ハデス”と呼ばれている“五式”系統も一度交配されて作られた系統である。
“和墨三色”は、“和墨”に“ぱれっと紅白”と呼んでいる非透明鱗性の紅白を交配して進めてこられたもの。“ぱれっと紅白”には、“あけぼの”、“雲州三色”などの血統が使われている。“和墨新系統”と呼んでいる系統は、この“和墨三色”から白地と墨に注目されて選抜交配された系統で、このきっちりとした有岡さんの選別淘汰が兄弟、姉妹系統とは思えない別表現にしているのだと感じた。
素晴らしい”和墨白銀三色”たちである。
“和墨白銀”である。“クラウドグレーダイヤ”血統を持っているため、ラメ鱗が多めに表現される個体も出てきている。
“和墨三色αブルーアイ”の2.5cmサイズの若魚である。各ヒレ、体側に現れる墨、そして鮮やかなオレンジ色を好む有岡さんを満足させる朱赤色も鮮明で、今後、成長とともに凄い個体になっていくだろう。
“和墨白銀三色”光体形である。赤はほんの少しだが、白黒ではないので、三色の範疇に入る。体形も良く、腹部から回る墨もこの個体を迫力のある印象にしている。
“和墨三色αブルーアイリアルロングフィン”である。”和墨三色α”は、”和墨三色”ד五式Type-R act-2″を交配した系統で、「鮮やかなオレンジ色」を取り込むことを主目的とされた交配である。狙い通りの朱赤色を獲得したと言えるだろう。
上見写真は、“銀墨2024”ד白ブチラメ幹之サファイア系”の交配で進めてこられた系統。”和墨”の白さ、黒さが青く輝くラメ光沢をより鮮明に見せていた。
今冬の有岡さんのコンセプトを尋ねてみると、「春に売れる魚を作ろうと思いました」と言われる。それが冗談だということは有岡さんをご存知の方はすぐにおわかりだろう。
「売れると思っても好きじゃなきゃ作りませんけど」と続けられる有岡さん、「トレンドに合わせながら鮮やかなオレンジ色を持った“和墨”、自分の好きな、気にいる魚を作りたい、ただそれだけですね!」と言われるのである。それが有岡流である。
多くの飼育、育成容器を使っておられる有岡さん、「去年、納得できた個体って何匹ぐらい?」と伺うと、「40匹ぐらいですかね!?」と答えられた。
全国には有岡さんが作る“和墨”を分けてもらいたいという“和墨”愛好家が相当数存在するのだが、たった40匹満足できると言っているようでは、なかなか入手できないのである。
幸い、昨年あたりから積極的にメダカイベントに参戦されるようになった有岡さん、持っていかれるペア数は少ないかもしれないが、入手の機会は確実に増えたと言える。
今年も7月20日、日曜日に千葉県成田国際文化会館にて『和墨メダカ展2025 in 成田』が開催することが決定している。その際は有岡さんを始め、“和墨”作りの手練れの方々が分譲魚を用意されることだろう。
まずは展示会の“和墨”血統の魚たちを見て、自分が目指す“和墨”の色柄、姿形を創造してみて欲しい。そこに向かって、どんな種親を使うか?どんな交配を進めていくか?それを考えるのが“和墨”系統を楽しむためには必要である。
『和墨メダカ展2025 in 成田』では、全国から“和墨”血統好きの方々が集う。そこでの情報交換は、とても有益な時間になることだろう。