富士山の麓になる静岡県裾野市の『AquaLux』にお邪魔した。
プラ舟やジャンボダライなどが並ぶ屋外飼育場。こうした設備が五カ所ほど使われており、加温設備も稼働している。メンバーは総勢4人おり、それぞれが自宅でも飼育しており、総面積的にはかなりの規模になる。
代表の坂入さんは、熱帯魚飼育歴が長く、水草レイアウト水槽やグッピーなどの経験が豊富で、そこで培われた管理術をメダカ飼育にも発揮される。特に水作りにはこだわっており、水を綺麗にすることはメダカを綺麗に仕上げる事につながるとされ、「バケツ一杯でもいいから毎日換えてほしいですね」とおっしゃる。そうして作られたメダカたちは、現在ではネット販売や道の駅などで販売されている。「一般の人にも受ける基本的な品種は大量に殖やし、そこに少数精鋭的に珍しい品種も揃えるようにしてます」と、多くの愛好家に受けるようなラインナップを心掛ける。そして、数を殖やすことで変わった個体が出るので、それを残して様々な品種改良にも取り組まれている。
『AquaLux』の代表的存在が“富嶽”になる。“鱗光”の黒体色タイプד頂上ラメ”の交配を進め、F4の段階でハウスネームをつけられた。黒体色に黄斑が入り、ヒレ光を持つ姿になる。
さらなる進化が進められており、“富嶽”דエメラルドフィン”のF1に“マリアージュロングフィン”を交配した“マリアージュ富嶽”を作出、さらにそこへ“マリアージュリアルロングフィン”を交配した“富嶽リアルロングフィン”と、優美な姿に作られていた。
他にも“墨武”דマリアージュロングフィン”の交配系統になる“ボブマリ”は、独特な青みのある体に目がピンクがかった姿が印象的であった。
光体形の個体では、ヒレ光やロングフィンの特徴が現れており、“墨武”の体の黒みをしっかりと表現させることを目標とされていた。
こちらは“鬼ラメ”דマリアージュロングフィン”の交配で進めている“鬼マリ”
“菊銀紅玉”など人気系統も積極的に導入し、殖やされていた。富士山からの清涼な水や気候のおかげか、美しい姿に仕上げられていた。
2023年には、店舗としての展開も予定されている。「いろいろなメダカがいて、来た人がワクワクするようなお店にしたいですね」と、そのためのメダカ作りに精を出されていた。水の状態にこだわり、しっかりと作り込まれたメダカ達に会えるお店が楽しみであった。