『漆黒めだか』、森藤秀太氏の進める“クムブルー”と“渚(なぎさ)”

香川県三豊市在住の『漆黒めだか』、森藤秀太氏が進めている、目の角膜が青く輝くメダカである。

今年の11月3日に刊行した『メダカ百華第14号』で、紹介させて頂いた、“黒夢(くむ)”、“クムブルー”のページである。

次のページで森藤さんには大変、失礼な間違いをしてしまった(大汗)
森藤さんの住む三豊市は香川県、自分はらんちゅうの取材を含めて4回は行っていた場所なのに…何を寝ぼけていたのか、愛媛県と書いてしまっていた(・・;)

こちらが正しいもの。

でも、それだけではとても足りないし、反響の大きい“クムブルー”については続編を掲載したいと思っていたので、『メダカ百華第15号』にも森藤さんには再登場していただくことにした。

そして、一昨日、今年の新仔、『メダカ百華第14号』で掲載させて頂いたメダカの次世代の撮影をするために、森藤さんから5系統をお送り頂いた。もちろん、撮影後は返送するので、一日という撮影期間をじっくりと使って撮影させて頂いた。

今年の森藤さんが繁殖された“クムブルー”である。

こちらは、“ピュアブラック”דブラックダイヤ”をF10ぐらいまで累代され、普通のスモールアイとは別に、目の眼球上でグアニンが変化していた数匹が現れ、それを森藤さんが累代している「管理名 渚」である。森藤さんが目の変化のみを観察するために累代繁殖されている系統である。

“クムブルー”は、“渚”が非透明鱗性だったので、それを透明鱗にされたくて、“黒夢”を掛け合わせ、F4になった時点で、「管理名 クムブルー」とされた系統である。

スモールアイのように見えるが、眼そのものは普通眼である。

メダカの眼は、一番外側に角膜があり、その下に結膜、そしてその更に下に虹彩があるとされている。虹彩になっている網膜の最外部は脈絡膜を包む薄い鞏膜(きょうまく)軟骨である。

この青いグアニンがどこに分布しているのか?それが最も興味深いところである。調べたところ、脈絡膜にはグアニン結晶体が含まれているとされており、「結膜と網膜の間にあるグアニンの変化」と考えるのが今のところ最も近いのかもしれない。

この変化に気づかれた森藤さんの観察力が素晴らしいのである。

この網膜の上に分布するグアニンが遺伝することは、“渚”から“クムブルー”にされたことで確定している。

この個体は、今回、撮影させて頂いた、森藤氏の最新作の一つである。“クムブルー”の半ダルマに、“キッシング”を交配した個体である。眼のグアニンは確実に遺伝している。

これについては、森藤さんが眼の変化を見つつ、持論を持っておられる。それを紹介しておこう。

写真①

まずこの写真①のような、目の一部にグアニンがまとう個体が現れる。
この①のような個体は後天性と位置付け管理。

写真②

そして②のように約半月で半分のグアニンで纏い約1か月で③のようにパールアイ・ホワイトアイ・スモールアイになる。
また同兄弟より④のような青の目の個体もでる。こちらは先天性と管理しており(約Sサイズで選別可能)ここで目の色素のことについて考え始めた。

写真③

写真④

また同兄弟より青の目の個体もでる。こちらは先天性と管理しており(約Sサイズで選別可能)ここで目の色素のことについて考え始めた。③をここでは※Wで呼びます。④をここでは※B(クムブルー)で呼びます。
Wは体色が薄い個体が多く、理由としてはグアニン色素が占めていると考えられる。
「虹色色素が入っているということは、黒色素とは融合しにくい」と考えます。
ここで次なる進化として、Wの形質をもったメダカは非透明鱗であるグアニンとの相性が良いと予想される。
今流行りのワイドフィンやロングフィンのフリル(軟条グアニン)とWを交配すればWの目をロングフィンなどもできるのではないだろうか。

Bは黒色素が強く透明鱗になる個体が多い。透明鱗ということはパンダ目が多くグアニンは無い。私はBの青さを強化すべく透明鱗のみを掛け合わせ累代していく。
ただ、黒色素のみを掛け合わせるだけでは青さは増さないと考え、黄色色素(透明鱗)を混ぜ絵具の理論と同じように、青、黄色、黒で濃い青を作成できないかと考え累代している。
私は黒い個体が大好きなので、こちらを主に累代を強化している。
黒い体に青い瞳。
これこそ神秘なメダカとして、残せていけるのではないかと考えております。

この森藤氏の観察による持論とメダカの目の構造とグアニン層の分布を、『メダカ百華第15号』で詳しく掲載する予定である。

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