体内光メダカ
黄緑や青の蛍光色の輝きが特徴の体内光メダカ。これは体内にあるグアニン層が光を反射することで独特な輝きを放つもので、上から見ることでしか確認できない。水槽などに入れて横から見ると、その独特な蛍光色は見られない。数多くいる改良メダカの中でも、特に上見での観賞に特化した品種と言える。
この蛍光色の独特な輝きが人工的なものに思われたのか、発表された当初には、環境省から「遺伝子操作で作られたものではないのか?」という問い合わせまであったと言われている。過去、台湾でサンゴの遺伝子を組み込んだ“蛍光メダカ”が作られ、鑑賞用に流通したことがある。しかし、日本では遺伝子操作に関するカルタヘナ法があり、“蛍光メダカ”の飼育や所持が禁止された経緯があったため、その類ではないかと疑われたようであった。その後、この体内光メダカは遺伝子操作とは無関係と判明し、問題なく流通している。
特徴である色あいは青緑がかったものからオレンジがかるものまでバリエーションが見られる。初期の頃の方がより緑がかった蛍光色の表現であったが、最近ではそこまで強烈ではなく、黄色がかった色あいが中心になっている。
体外光を持つものもいる。体外光品種は、外光をより伸ばす方向へと改良が進むが、本種では体外光が背を覆ってしまうと、特徴である体内光が見えにくくなってしまうので、部分的に入る程度の方がよい。全身体内光メダカの登場や、朱色や柄などを持たないことなどから、それほど人気があるとは言い難い存在になってしまっているが、他品種にない独特な蛍光色は、実際に見た時に驚かされたのが忘れられない。