スモールアイと呼ばれるメダカ
眼球の黒目の部分が極端に小さく点ほどしかないために、「点目」とも呼ばれるスモールアイメダカ。2001年に広島県『めだかの館』で発見され、2003年にピュアブラックメダカとしてリリースされた古くから知られる品種である。
その出現率は非常に低く、当初は数も非常に少ない希少種であった。目の異常とも思われていたが、累代繁殖をすることで遺伝率は低いものの、遺伝することも確認された。『めだかの館』で様々な品種との交配が進められ、現在では様々な品種でスモールアイが見られ、ダルマメダカや光体形でも見られるようになっている。
楊貴妃透明鱗のスモールアイ
透明鱗三色のスモールアイ
スモールアイメダカは、その目の形状から視力が弱いため、保護色機能も弱く、体色が黒化したり、水槽などに移動して体色が薄れることが鈍い傾向もある。ピュアブラックメダカも水槽に移しても真っ黒のままである。
ピュアブラックメダカの光体形
視力が弱いため、餌を捕ることが下手なので、普通種のメダカに比べてると、飼育難易度はやや高い。こまめな餌やりが必要になる。特にフ化した稚魚の初期餌料には、少量のパウダー状の人工飼料を少量ずつ頻繁に与えたり、ゾウリムシやタマミジンコの幼生などが常にいる状態にして、稚魚が餌を食べやすいようにしておくとよい。また、フ化した中に普通目の個体がいる場合は取り除く。視力のよい個体に餌を食べられてしまい、スモールアイの個体が満足に餌を食べられなくなってしまうからである。育成には普通種以上に気をかけておきたい品種である。