『ひまわり園』訪問
群馬県のメダカ専門店『ひまわり園』にお邪魔した。
ご自宅前のスペースには、ハウス2棟が並び、その周りは所狭しと容器が並べられており、道路からでもすぐにここにメダカがいることがわかる。
玄関をノックすると、店主の中野さんが眠たげな顔で出てこられた。午前中早めだったから?と思ったら、なにやら昨晩、あまり寝られなかったと。その訳は、自分が初訪問するからだという。当社の森とは話をしたり、以前に会っているが、自分とは初対面であることから緊張されていたそうなのだが、「お互い人見知りで、最初に二人で会ったら、二人で黙りこんでましたかね」と笑い話にすることができた。
早速、ハウスの中を見せていただくと、上見容器の他に、多くの水槽を使用されていた。販売魚を入れているのはもちろん、親魚の採卵や育成槽にも使われており、底床材にゼオライトや硬質赤玉土が入れられており、なにも入っていない容器はほとんどなかった。どの容器も澄んだ状態の水になっていたのが印象的であった。お父さんの影響で、幼い頃から観賞魚飼育をされてこられた中野さん、熱帯魚の飼育経験も豊富なことから、水作りは熟知されているのだろう。
特にジャンボだらいなど大型容器では、赤玉が厚さ10cmほども入れられており、さらに最下層には炭が敷かれているそうだ。それでいて、しっかりとエアーレーションも行い、冬でも週一のペースで水換えをされているそうで、とにかく水質管理がしっかりと行われていた。
寒い時期ではあるが、しっかりとしたメダカ達を見せていただいた。
こちらは“マリンブルー”
入手されてから6世代目になっているそうで、しっかりと本品種の特徴である澄んだ青さに輝く姿に揃えられていた。
“マリンブルー”の光体形も出現していた。初めて見た表現で、涼しげな体に光体形のヒレが合うと感じ、これは横見でも楽しめそうであった。
ハウスネーム“美琴”と名付けられた系統
オーロラ黄ラメ新系統を体外光を重視して累代されてこられたそうだが、独特な表現を見せる個体が3年目にして得られたそうだ。それが下の個体である。他の個体も、どちらかと言えば黄色系の表現をしており、朱赤よりも黄を意識されているそうだ。それもご自分の好みというよりも、お客さんとの話から黄色系の話題になったことが元であるという。「お客さんの反応見て、そのニーズによって表現を変えます。自分の好みだけではダメだと思うので」と、お客さん目線を意識されていた。
それでも、「世にいないメダカを作りたいですね」とされ、精力的に交配や累代繁殖をこなされている。どのメダカもしっかりと育てられており、冬の時期ではあったが、体格のよさが印象的であった。種親の導入もよいものはどんどんと取り入れており、「お客さんにいいものを渡したいですから」と、妥協しない親選びをされており、そこから中野さんの水管理で育てられたメダカ達が販売される。機会があればぜひ直接見ていただきたいメダカ達であった。
おまけ?
奥のハウスにはお父さんと楽しまれている雪割草がびっしりと並んでいた。
バラエティも多いが、しっかり株を作るのに3年ほどかかり、さらにそこからまた変化があるそうで、これも奥深く、多肉植物同様に「ハマると危険だな」と、感じたものであった。