メダカの病気 エロモナス症
メダカに限らず、熱帯魚や金魚など、観賞魚の病気として知られるひとつに、エロモナス症がある。症状としては、体に出血部位が現れたり、腹部が膨らむ腹水病とも呼ばれる症状、目が飛び出したように肥大するポップアイ、鱗が逆立つようになる立鱗病と呼ばれる症状など、多岐に及ぶ。
鱗が逆立ち、腹部も肥大した症状を見せる個体
エロモナス症は、Aeromonas hydrophila(アエロモナス・ヒドロフィラ)という病原菌により引き起こされる疾病になる。ただし、この病原菌は飼育水中に常に存在していることが知られており、通常であれば問題はないのだが、魚に過大にストレスがかかったりすると発症する。
そのストレスの原因としては、環境の悪化があげられる。水換えが足りずにアンモニアが溜まって水質が悪化したり、狭い場所に過密に入っていることでの酸素不足や狭さへのストレス、雨が入り水質や水温が急変するなど、様々な要因があげられる。また、ちょうどこの時期、越冬しているメダカは餌も食べずに体力が消耗しており、そんな時に急に暖かくなったりと水温の変化が大きくなった時にも発症する。
対処法としては、まずは予防が一番である。数を入れすぎないことで余計なストレスを減らし、餌やりや水換えをしっかりとすることで水質を安定させ、アンモニア濃度を高くしないように日常管理をしたい。発症させないようにすることが大切であるが、屋外飼育での季節の変わり目の水温変化により引き起こされることもある。発症してしまっても、初期であれば水換えで環境の改善をすることで快復することもある。治療には、市販の魚病薬や塩を0.3%濃度になるように飼育水に投入して経過観察をする。
立鱗病は、鱗が逆立つような状態になることから松かさ病とも呼ばれる。グリーンウォーターの状態で飼育していたりすると、気づいた時には症状が進行していることも多い。ここまでの状態になると手遅れなことも多いので、予防に務めることが大切である。