“紅薊”に体外光を! 瀬尾開三氏の”あざみ体外光“
“紅薊”や“紅帝”、全身体内光など、今ではポピュラーな人気品種である数々のメダカの大元を作出された広島県の瀬尾開三氏。メダカ百華第9号でも紹介させていただいたが、現在、“紅薊”と“煌”の交配を進めておられる。“紅薊”の独特な体色に、“煌”の体外光が入る姿が目標である。今回、その系統魚を撮る機会を得られた。
オスメスがやっと判別できるようになった若魚であるが、魅力的な個体が多く見られた。
体後半部に体外光を表した個体。腹部から前の赤さがでればと想像してしまう。
体外光は体前半部に出ており、頭部に朱赤を見せる個体。
しっかりとした体外光を持ち、顔つきからはオーロラの血を受け継いでいることが窺える。
体外光は出ていないが、濃い朱赤が目についた個体。
やはりオーロラやブラックリムとの体外光の相性もあり、特に朱赤と体外光の両立は難しい。しかし、そう簡単にいかないのがメダカの品種改良である。この個体たちから得られるメダカたちはどうなるのか? より色味が強くなるのか、はたまた体外光が変化するのか? それを追うのも品種改良の醍醐味である。
瀬尾さんは、作られた“紅薊”などの元になった系統を“あざみ”と呼ばれており、それに体外光を乗せることを目指す“あざみ体外光”がこの幼魚たちである。体外光の乗りのよさは、一目瞭然であった。次に見せていただく頃には、さらなる姿ができあがっていることを想像するのが楽しい。