惹かれた品種 令和三色ラメ幹之
岡山県『静楽庵』が2020年に発表した“令和三色ラメ幹之”
『静楽庵』の“三色ラメ幹之”といえば、多くのメダカ愛好家を魅了した人気系統であるが、この“令和三色ラメ幹之”は、それまでの“三色ラメ幹之”とは異なる系統になる。
“令和”の名が付けられたシリーズは、『静楽庵』が発見し名付けた“令和遺伝子”を持つ系統で、その特徴としては、各ヒレが朱色に染まることにある。
透明鱗性のメダカは、色抜けをすることで柄ができ、ヒレにも部分的に朱色が残りやすいが、体外光やラメは入りにくい。それに対して、非透明鱗メダカでは、白や黒といった体色のベースに部分的に黄色素が入ることで柄が形成され、体外光やラメも入りやすいが、ヒレには色が入りにくいといった特徴がある。この“令和遺伝子”を持つ系統では、非透明鱗でも体色に色抜けを起こし、体外光やラメが入りやすい。さらに、透明鱗よりもヒレに朱が入りやすいという特徴を持つ。
今までの“三色ラメ幹之”では、ヒレに色が入ることはあまりなかったが、この“令和遺伝子”が発見されたことにより、ヒレが朱に染まる姿が作れるようになった。例えば、将来的には真っ黒な体でヒレだけが朱に染まる姿を作り出せるかもしれない。そうした可能性が出てきたことを想像するとワクワクする。
『静楽庵』でも、まだその特性は完全にはつかみきれていないそうで、透明鱗と同じような感じで発色するが、戻ってしまうこともあるそうだ。早めに色抜けしている個体を選別したり、水温や日照など条件を変えながら、今でも改良を進められている。次のシーズンには、さらなる姿を見せてもらうのが楽しみである。